30 Ugh! ページ31
『……副社長の妹が…………マリー・アントワネット？』
「え、何それ、妹のあだ名？」
『あっ、！いや……あの、違っ…………！！』
しまった！自分の妹がそんなあだ名なんて気が悪いに決まってる……！慌てて訂正しようと言葉を発した瞬間、副社長は何故か大笑いしてしまった
『え、あ、え…………、あ、あの、す、すみま』
「あぁ、いや？それにしてもマリー・アントワネットかぁ〜。よく考えついたな？あいつにピッタリじゃん！」
『え、え……？』
妹がそんなあだ名をつけられて何故笑ってるんだ、この人は。戸惑ってしまい瞬きが多くなってしまった私に副社長は説明してくれた。
「あいつ、本当に馬鹿だし常識外れなんだよ！まぁ、それはそっちにもバレてんだろ？だからそんなあだ名なんだろうし」
『え、あ、まぁ…………』
「こっちの会社に入社させようとしたんだけど、簡単な事務作業も出来ないし、お茶汲みも出来ないんだよ！
コーヒー淹れてきてって頼んで持ってこられた物、飲んだら濃すぎて飲めないのなんの……。思わず吹き出しちゃってさ？
たかが、インスタントだよ？粉をどれくらい入れたの？って聞いたら"お兄さんは濃い味が好きだからカップの半分入れました！"って言われてさ？」
『え、えぇ………』
「もう、親父と緊急会議だよっ！あいつどうする？なんつって。
話した結果、あそこまで何も出来ないなら社会出さねぇ方がいいなってなって今は大人しくお家に篭ってもらってるよ」
『はっ！？じゃあお嬢様のお仕事って………』
「ニート？まぁ強いて言うならいつかの為の花嫁修行中？」
『………………』
何と癖の強すぎるお嬢様なんだ。社長と副社長自らが社会から抹殺してしまう程のお方だったなんて………
『な、何とも癖のお強い、お嬢様で、いらっしゃいますね』
「本当にね？一回、親父と俺にお仕事頑張ってね、なんつってお菓子みたいなのくれたんだけどもう見た目からアウトなんだよね。
とりあえずちょっとだけ齧ったんだよ。普通、お菓子って甘いだろ？めちゃくちゃしょっぱいんだよ。もう食えたもんじゃねぇからそのままゴミ箱行きだよ。
根は優しいやつなんだけどね？甘やかされすぎて外に出せないっつーかさ？」
『……………』
さすが癖つよ兄妹だなぁ。
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作者名：ノルン
| 作成日時：2023年12月1日 1時
