29 Ugh! ページ30
結局、全てのコピー用紙は副社長が持ってくれ手持ち無沙汰になった私は最初から副社長だけ倉庫に行けば良かったんじゃないか?なんて思いながら副社長室へと戻ってきた。
副社長はソファの前のテーブルへとドサッとコピー用紙の束を降ろすと時間を確認した
「もう少しで定時だな、」
『え?もう?』
時間を確認すると時刻は16時になっていて定時の17時まで後一時間程だった。
「それのコピー終わって、各部署にアンケート持って行ったらもう帰っていいよ」
『え?時間余りまくりますが、』
「うん、いいよ。副業あるんだろ?」
『今日は、ありません』
私がそう言うと副社長専用の椅子に座っている副社長が顔を上げこちらの姿を捉えた。
うん、あなたはそこに座っているのがよく似合うよ、王様みたいで。
「いつ、出勤なの?固定?」
『曜日の固定ではありませんが週に3日です』
「……ふぅーん」
副社長は肘をつき何か考え込む仕草をした後そのまま口を開いた
「曜日固定出来るの?」
『……さぁ、どうでしょう?やろうと思えば、出来るんじゃ無いでしょうか?』
何せ曜日固定なんてした事はない。でも、スングァン君みたいに従業員を指定されている子もいるんだ。やろうと思えば出来るだろう。
『うちの従業員でこの子がいい、って指定されてる子が一人だけいるんです。その子は多分固定なので出来ますね。うん、出来るはず』
少し考え込みながら説明している間に納得した私は副社長へ告げると副社長は何故か彼の名前を出した
「あぁ、スングァン君?だっけ?」
『………え、何で知ってるんですか?』
何故、副社長がスングァン君の名前を知ってるんだ?彼はマリー・アントワネットのお気に入りだから副社長とは会った事が無いはずだ。
頭にハテナを浮かべ不思議になりながら副社長へ問いかけると、こりゃまたダイナマイト級の爆弾発言がやってきてしまった。
「俺の妹のお気に入りの名前がそんなんだったから。まぁ、でも指定されてんのが一人だったら俺の妹だわな」
『………いっ、……い?』
…………妹?マリー・アントワネットが?
副社長の妹が、マリー・アントワネットだと?
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作者名:ノルン | 作成日時:2023年12月1日 1時