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28 Ugh! ページ29

 
 
 
 
 
 
 
『あった!ここだ!!』




コピー用紙が積まれている棚を見つけコピー用紙を取ろうとしたがこれでは届かない。かと言って周りに踏み台になる物もない。





皆どうやって取ってたんだろうか?




少し首をかしげながらとりあえずコピー用紙が置いてある棚を揺らしてコピー用紙を落とそうと思い棚をガシッと掴むと副社長が慌てて声をかけてきた



「おいおいおいっ!何しようとしてんだよ!」


『え?揺らして落とそうかと』


「いや、馬鹿なの?そんな事したらここに置いてある書類とかも全部落ちるだろ?何の為に俺がいると思ってんの?」





そう言って顰め面をかましながら副社長は手を伸ばしコピー用紙の束を何個か取ってくれた




ありがとうございます、と頭を下げて副社長にお礼を言うと副社長は眉をピクッと動かしこちらに向いた






「あ、この匂いだ」


『は?』


「何なの?髪の毛なの?」





そう言って私の髪を一束掬い上げると匂いを嗅ぎ出した






何やってんの、この変態野郎。





女たらしのような行動に顔を歪ませているとこちらを見て口を開いた





「俺さ、ハウスキーパーがAだと分かった理由がこの匂いだったんだよね」


『へ?』


「不思議に思わなかった?何でバレたんだろう、って」


『え?あぁ、まぁ何でだろうとは思ってましたけど』


「Aに面談した時の出て行く際に頭を下げた時と、ハウスキーパーで来た日に俺が部屋から出て行く時に頭を下げた匂いが一緒だったから分かったんだよね」


『え、』








何それ、本物の変態じゃん







『………匂いフェチなんですか?』


「いや、そういう訳でもないんだけど何か良い香りするなぁ、って思った。」


『はぁ、そうですか』


「香り強いよね、どこにいるのかすぐ分かりそう」


『副社長、そういう事はあまり言わない方が良いですよ?』


「何で?さすがにドキドキしちゃう?」








そう言って少し意地悪そうに笑った副社長はしたり顔をかましていた









『人によってはセクハラ扱いですから』


「…………あぁ、そう」


『気を付けた方がいいですよ?』






私がそう言うと少し呆れながら何度か頷きコピー用紙を全て持ったまま倉庫から出ようとする副社長を追いかけた














『あぁ!待って!置いてかないで!』


「…………」
 
 
 
 

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作者名:ノルン | 作成日時:2023年12月1日 1時

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