27 Ugh! ページ28
『うわ、本当にいつ来ても不気味ですよね、』
「いつもそんな事思いながら倉庫来てたの?」
『え、怖くないですか?倉庫って』
「そう?俺は特に」
扉を開けた瞬間に漂う少しヒヤッとした空気感に漂う不気味感。あぁ、ヤダヤダ。早く出たい。
そう思い少し早足でコピー用紙が置いてある棚まで向かうと、副社長があっ、と声を上げた
『何ですか?早く取って出ましょうよ』
「お前、知ってる?広報部のパクさんの話。」
『知りません』
「パクさんが先輩に頼まれてここに置いてある昔のファイル取りに来たんだって。」
『はぁ』
もう、何でもいいから早く歩いてくれ
「で、ファイルを探していたら扉が開いてパクさん、って呼ばれて振り向いたんだけど、誰もいなかったらしくて、」
『………………』
「あれ、空耳かな?と思ってそのままファイル探してたんだけどまたパクさん、って呼ばれて振り」
『あの』
「ん?」
『何の話ですか?」
「え?うちの会社の七不思議」
いや、意味分かんない。何でこんな所でそんな話してんの?ここじゃ無くて良くない?怖い話は嫌いなんだよ、勘弁してくれ
『何でこんな所で?勘弁してください』
「でね?パクさんが振り向いた瞬間目の前に立ってたファイルが置いてある棚のファイルが雪崩のように落ちてきたらしくて、」
『…………っ』
辞めろっつってんだよ。
「で、少し怖かったらしいんだけどそのままファイルを拾い上げてた時に顔を上げたら…………お?」
我慢ならず振り向いて副社長の胸ぐらを掴むと、驚いたのか小さな声を上げた
『も、もう、勘弁してくださいぃ…そういうの得意じゃないんですぅ……』
「……………」
声は震え、泣きそうな声になり何とも間抜けな声が出てしまった。怖い話が無理な人に怖い話をする奴の神経が分からない。
すると頭上から少し笑い声が聞こえ肩をポンポンと叩かれ顔を覗き込まれた
「……ごめんね?そんな怖がるとは思ってなかったわ」
『………早く、一刻も早く出ましょう』
もはや涙目になってんじゃないか?口角がプルプル震えているのが分かる。何でこんな所にコピー用紙を置いているんだ。くそっ
「……そうだね、行こうか」
そう言って私の背中に手を添えコピー用紙の場所まで私に歩幅を合わせ副社長は進み出した。
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作者名:ノルン | 作成日時:2023年12月1日 1時