24 Ugh! ページ25
「………え、少なくない?」
両手が塞がっており開く事の出来ない副社長室に足で扉を叩くと出てきた副社長は定食を見てボソッと呟いた。
『先程、違う男性社員も少ないと言っていました。以外と食堂に不満のある方は多いかも知れないですね』
そう言いながら中へと入りソファ前に置いてある机に二つ定食を置くと私の前に副社長が腰を降ろした。
二人で手を合わせ定食を頂き食事を取り終えた所でお互いの業務へ戻り、私はパソコンへと向かいアンケートの作成の続きへと取り掛かった。
『あの、副社長』
「なに?」
『アンケートの内容でこれを絶対表記しておけっていう内容はございますか?』
私がそう聞くと少し面倒くさそうな顔をして尚且つ面倒くさそうな声で仰った
「えぇー?それ位分かるでしょ?自分で考えて」
『え、私が全て考えなければいけないんですか?』
「当たり前じゃん、自分で言ったんだから」
この人、全部を私に丸投げするつもりか?確かに情報収集がメインなんだろうが少し位意見をよこせ、なんて思うのは私だけじゃないはずだ。
「哲学は学べない。学べるのは哲学することだけである」
『……は?』
「哲学的な思考を持って考えることを繰り返しているうちに、視野が広がり、さまざまな可能性が見えてくる」
は?また哲学?何なの、この人。オタクなの?何で私は何か事あるごとにに哲学の名言集みたいなものを聞かなきゃならないんだ。
『……はぁ、それで?』
「そのまんまだよ、考えていれば色んな内容が浮かんでくるだろ?考えに考えてアンケート作成してくれ」
『私は、考えるな、感じろタイプなんですが、』
「今は、感じるな、考えろにならなきゃいけないんだよ」
『…………』
この人、私が面倒くさそうとか嫌がっている時にねじ伏せるように名言集ぶち込んでくるな。
そう言う事によって自分は少し面倒くさい事から逃げてるのでは無いか?私も名言集を勉強して名言返しをしなければいけないな。
そう思い、感じる事をせずに考え続けながらアンケート作成を開始した。
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作者名:ノルン | 作成日時:2023年12月1日 1時