22 Ugh! ページ23
『あの、私思いついた事があるんです』
「なに？」
背もたれに倒れていた頭がこちらへ向かって上がり視線があった
『アンケートを作成して匿名で情報収集はいかがでしょうか？』
「アンケート？」
『はい、もうこちらから問題点を表記して気になる点だけチェックを入れて貰うんです。
そして、一番最後に好きに書き込める空白欄を差し込むのはどうでしょう？
そうすればこちら側は根掘り葉掘り聞けないし、匿名なので自分がバレる事もない。
そして別に伝えたい事があれば、空白欄にも書き込めるし名前を入れたい場合は名前を書き込めます。』
どうだ？中々いい案だろう？もう鼻が伸び過ぎてしまってドヤ顔をかましているであろう私が副社長へ視線を移すと何故かげんなりした顔をしている。
あ、あれ？
何でそんな顔してんの？
「いや、うん、いい案だとは思うよ？」
『……で、では何故そんな顔を？』
「それ、紙でするつもり？」
『そ、そりゃあ紙じゃないですか？』
「………350枚分？」
『…………』
「誰がアンケート作成して誰が350枚分のコピー取るの？」
『…………』
それは、あんたがやるんじゃないのか？自分でやる事を何故、私に聞いているんだ？いや、まさかね？まさか。
………………………まさか、ね？
恐る恐る視線を副社長に移すとさっきまで背もたれにもたれ屍のようになっていた副社長は姿勢を正しこちらを見つめている。
「必要性とは、可能性の隣人である。」
『………は？』
「必要性があるからこそ可能性が生まれ、可能にするために人間は努力してきた。」
『……………』
「ありがとう、可能性を見つけてくれて。俺から言える事は…………」
『……………』
「君の努力を期待している、それだけだ。」
嘘だろう？本気か？
そう思い副社長に懇願するような視線を向けたがにこやかな笑顔のまま無言で私の懇願は跳ね返されてしまった。
『………………』
今度は私がげんなりする羽目になってしまった。
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作者名：ノルン
| 作成日時：2023年12月1日 1時
