17 Ugh! ページ18
さて、本題はこっからだ。
『それで?これからどうするおつもりですか?』
「何が?」
『私が情報収集するんですよね?私はどう動けばいいんでしょうか?』
「あぁ、はい」
そう言って手渡されたのはファイルだった。
そのファイルを開くと昨日面談した時の紙なのか少し文字が書いてある以外は白紙だった。そこから視線をずらして書いてある文字を目で追って行った
『仕事の量が多く手が回らない。 総務部
外回り中に明らかにサボっている人がいる 営業部
なぜこの人が経理部に?という人がたまにくる 経理部
社食に魚が欲しい 経理部』
「昨日の結果」
『…………これを私に見せてどうしろ、と?』
「この中から解決出来そうな奴はとりあえず解決してあげて」
『………魚しかありませんが』
「じゃあ、まずは魚からでいいよ」
『……………』
本当に?本当にそれでいいのか?社食のおばちゃんに魚料理入れてって言えば終わりでしょ?
それは私がする事なのか?
私がボンヤリとそんな事を考えているとこちらを見据えたまま口を開いた
「たくさん持っている人が豊かなのではなく、たくさん与える人が豊かなのだ」
『………は?』
「お金の豊かさが人間の豊かさを決定するんじゃなくて他者に対する思いやりを持つことが、真の豊かさであるっていう考えだよ。
お金を持つことよりも、困っている他者を助けたいっていう気持ちが大切って事。」
『………魚で?』
「魚で」
『……………』
何かこの人の相手面倒くさくなってきたな。とりあえず言われた事をやっていこう。
『なら、とりあえず私は社食で魚を出してくれ、そう言えばいいんですね?』
「うん、一緒に困ってる事とか何か無いかも聞いてきて」
『………分かりました』
そう言って背中を向け失礼しました、そう言って頭を下げて副社長室から出て私は食堂へと向かった。
魚の為に。
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作者名:ノルン | 作成日時:2023年12月1日 1時