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12 Ugh! ページ13

 
 
 
 
 
「一人の金持ちが存在する為には、少なくとも500人の貧乏人が存在しなければならない。」


『は?』


「ま、簡単に言えば一人の金持ちが俺だとしたら500人の内の一人が君だよね、って話」


『え、あ、は?』


「今よりも給料あれば、何だっけ?いちご?いちごに貢ぐ事も出来るのにね」



そう言って馬鹿にしたように笑いながら腕を組んだ。



『strawberry⭐︎boys………』


「何でもいいよ、そんなダサい名前」







誰だよ、こいつを副社長にした奴。



社長か?社長さんよ、もう一人息子産んでおけよ。こいつは駄目だよ。




「可哀想にね。俺が理由で500人の中に入ってしまって副業なんてさ。」


『……………』


「俺だったら、いくらでもいちごに貢ぐ事出来るのにさ?」


『……………』






こいつが本当に次期社長になるっていうのか?世も末だな。




何て性格の悪い奴なんだ。何で私は真実を伝えたのに八つ当たりされなきゃいけないんだ。



椅子に座りながらプルプル震えていると私の目の前にしゃがみ込んだ哲学者もどき。



「給料増えたら嬉しくない?」


『………は?』


「今よりも1.5倍」


『!?!?!?』



1.5倍!?1.5倍ってあんた…………えぇ!?!?



驚いて立ち上がった私に視線を合わせながらゆっくりと立ち上がった哲学者もどきは口角を上げて笑い少しだけゾクリとした。



「欲しいよねぇ?いちごに貢ぎたいもんねぇ?しかも副業もOKのままだよー?」


『じょ、じょ、条件は』


「全社員の情報収集」


『…………は、』




全社員?全社員って?人事部?経理部?広報部?法務部?営業部?総務部?




『あ、あの、全社員とは、』


「言葉の通り、全部署の情報収集」


『…………』


「もちろん、全部署だけじゃなく、社食の従業員や受付、警備員も諸々含めてね?うちが雇ってんだから」


『…………』




それは全部で何人いるんだ?



『あ、あのそれは……全部で何人ほど………』


「ざっと、350程」


『……………』




いや、無理じゃ無い?どう収集するの?総務部の仕事とかどうなんの?



『あ、あの……私、総務部の仕事があるのでそんなにも情報を集める事なんて』


「うん、だからやると決まったら総務部じゃ無くなるし異動だね」


『は、え、は?』


「ぼちぼち欲しかったんだよね」









 
 
 
 






 
 
 
 
 
 
「秘書」
 
 
 

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作者名:ノルン | 作成日時:2023年12月1日 1時

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