11 Ugh! ページ12
「……え、それだけの理由で俺は困ってたの?頭を悩ませてたの?社員達の為に考えてたのに?」
『え、あ、まぁ、はい。そうですね』
そう言うとだんだんと雰囲気が変わっていった副社長に怖気付いてしまった。
ま、まだ猫を被ってたと言うのか?それともキレてるだけなのか?
目を見張り副社長を見つめていると、ボソッと副社長は呟いた。
「大道の側で日向ぼっこしている乞食の有する安心感はもろもろの王様が欲しても得られないものである、か。」
『は?』
「イギリスの哲学者の言葉だよ。知らない?」
誰だよ、知らねーよ。ていうか自分を王様と捉えてるの?この人
「社員はいいよな、言われた通りにやってれば給料は出るし、たかが嫉妬って理由だけで下らない嫌がらせしても咎められないんだし」
『……………』
「こっちは社長から今の内に信頼を得ておけ、なんて言われて動き回ってるっつーのに、悩んでいる事や改善点も見つけられず明日はどうするかな、って悩んでるってのに。」
『……………』
「それだけじゃ無くて、俺にはまだまだ引き継ぎもあって毎夜、充分に睡眠も取れず食事時間も削って頭働かせてるっつーのに。」
『……………』
「とんだクソ共だな。全員、総入れ替えしてやろうか」
むっちゃ怒ってらっしゃるー!!!!!!!
『あ、あの、落ち着きに落ち着きを取り戻しをなさって下さい(?)総入れ替えなんてしてしまったら、もう会社もろとも全てが』
「しねーよ、馬鹿じゃねーの」
『あ、すみません』
冷や汗ダラダラだ。何て面倒くさい事になってしまったんだ。
ていうか私の爽やかイケメン副社長のイメージガタ落ちだよ。
そんな事を思いながら、ピキッと固まっているとこちらを見て鼻で笑った。
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作者名:ノルン | 作成日時:2023年12月1日 1時