43 betray ページ44
うどんを完食し終えたスニョンを見て立ち上がり冷蔵庫を開けてゼリーとスプーンを取り出した。
スニョンの隣へと戻りゼリーを差し出すと笑いながら首を横に振った。スニョンが私に笑顔を向けてくれたのは随分久し振りな気がする
「俺さ、本当にAとヒョンの事、応援したかったんだよ」
『うん』
「でも、気持ちが止まんなくて。どうして俺らは別れなきゃいけなかったの？って頭がいっぱいでさ。」
『うん』
「もう、自分に区切りが付くまで二人を見つめ続ける覚悟しなきゃいけないなぁ、なんて思って出来るだけAとは関わらないようにしてたんだ」
『うん、何となく気付いてたよ』
「でも、それももう我慢しなくていいんだよね？」
『……そうだね』
そう言うとスニョンは水を飲むと私へと顔を近付けた。目を閉じていてもやってこない感触に目を開けると私の目を見つめたままだった
『え、なに？』
「………もう触んない？」
『………ふふ、耳裏？』
「……うん」
『……うーん、努力する』
「辞めてね、ほんと」
そう言うと頭を引き寄せてこの間のような熱いキスが降り注いだ。スニョンの4年分の思いを受け取り続けて、私も返しきれなかった4年分の思いを返し続けた。
この間とは少し違う甘さの雰囲気も加わった所でスニョンは唇を離して私に甘えた声で言った
「ね、やっぱ触って、耳裏」
『……自分から触ってって言う時はどんな時か、私覚えてるよ？』
「……じゃあいいじゃん」
『病み上がりでしょ？まだ少し熱あるでしょ？』
「……………」
『駄目だよ』
そう言うと、溜め息を吐いて離れたスニョン。頭を撫でてやるとスニョンは、あっ、と声を上げた
『ん？』
「ごめん、やっぱ帰って？」
『は？』
「あぁ、いや、そんなんじゃなくて」
『なに？』
「ヒョンに電話したいんだ」
『………………』
「ガールズトークならぬボーイズトークだよ」
そう笑って言ったスニョンはスニョンなりにスンチョルさんに伝えたい事があるのだろう。この場にいるのも野暮というものか。
『そうだね、帰ろうかな』
そう言って立ち上がるとスニョンは玄関までついてきてくれた
「わざわざありがとう」
『ううん、お大事にね？』
そう彼に伝え玄関の扉を開けると私の姿が見えなくなるまでスニョンは見届けてくれ、その姿を横目に帰路へと向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 961人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ノルン(プロフ) - ゆんさん» 初めまして！コメントありがとうございます🙇♀️素敵なお話だと思って貰える事が作者として本当に力になり励みになります😭もっと愛して貰えるよう頑張りますね！次も是非是非お楽しみ下さい😊 (11月22日 0時) (
レス) id: 907990f381 (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 犬こそ正義さん» 舞いと如くから引き続きまたまたありがとうございます🥰全作品読んで頂いてたのですね！本当に嬉しいです😇またスニョン沼に浸かって貰えれるようまだまだ頑張りますねっ！ホランヘッ🐯 (11月22日 0時) (レス) id: 907990f381 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - はじめまして。ノルンさんの素敵なお話どれも楽しく読ませていただいています。次のお話も楽しみにしてます！ (11月21日 23時) (レス) @page48 id: 74ad00435c (このIDを非表示/違反報告)
犬こそ正義(プロフ) - 私も全部読んでます！！本当に惹き込まれるお話で最高です..！！これからも応援しています♥️ホランへ~🐯💗 (11月21日 23時) (レス) @page48 id: 3d5654d2e4 (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - ぐぅゆぅさん» え！全部ですか！？むちゃくちゃ嬉しいです😭本当にありがとうございます🙇♀️もっと楽しんで頂けるように今後とも頑張りますので末永くよろしくお願いしますね🥰 (11月18日 21時) (レス) id: 907990f381 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ノルン
| 作成日時：2023年11月17日 23時
