ダリアのバウムクーヘン

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目覚ましが鳴り少し重たい体を起こすと早速出勤の準備を開始した。



スンチョルさんは今日、また話をしようと言っていたけど何の話をするつもりなのだろうか。


あの流れだと私は別れ話を切り出されるのだろうか？










　
　
　
　
準備を終えて店へと歩いて向かい扉を開けるとスンチョルさんの姿が見えた



「おはよう」


『……おはようございます』


「寝れた？」


『……まぁ、何とか』



そう言うと少し笑い着替えておいで、そうスンチョルさんに言われバックヤードへと向かった。



着替えを済ませ周りを見渡すと一人いない事に気付き不思議に思いスンチョルさんへ声をかけた



『あの……スニョン、は？』


「あぁ、風邪ひいたらしいよ？」


『えぇ？夏なのに？』


「夏風邪って言葉があるでしょ？」




スニョンの事だ。真夏になってきた今の季節に暑すぎる、そんな理由でクーラーをガンガンにかけたんだろう。



そんな所も昔から変わってないな。いつか風邪引くよ、ってちゃんと教えていたのに。




少し笑ってしまうとスンチョルさんに気付かれてしまった



「どうした？」


『あぁ、昔からクーラーの温度が低いんですよね、スニョンは。いつか風邪引くよって言ってたんですけど本当に風邪引くなんて』


「スニョンに注意しても効かないんじゃない？」


『みたいですね』



そう言って笑って開店準備を進めていき開店時間になった時にチラホラとお客さんが入ってきてお酒を飲みながら仕事を始めて行った。




スニョン目当てで来ていたお客さんも中にはいてそんな方達に今日はスニョンはいないと伝えると少し残念そうになりながらもお店には居座ってくれた。




スニョンが来てからはスニョン効果が絶大だなぁ、なんて思っていると段々と時間は進んでいきもう少しで閉店時間を迎える頃までになっていた。
　
　
　
　
　
　

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