ダリアのバウムクーヘン

21 betray ページ22

　
　
　
　
　
　
　
　
トイレ掃除も終わり残った洗い物も片付けてほぼ全ての事をやり終えるとスンチョルさんに声をかけた


『スンチョルさん、全部終わりました！』


「おぉー、ありがとう」


『それで話って何ですか？』


「少し座って話さない？まだ酒飲める？」


『大丈夫ですよっ！』


「なら、俺が作るから座ってて？」



そう言って微笑んだスンチョルさんに微笑み返しカウンターに座りドリンクを待った


『またプッシーキャットですか〜？』


「んー？今日は違うよ」


『え？違うんですか？何だろう』


「まぁ、待ってろって」


そう言いながらシェイカーを振るスンチョルさんはその姿が本当に様になっている。カッコいい。


スンチョルさんは出来上がった二つのドリンクを装飾付きでテーブルの上へと出した。

これは……………………



『テキーラサンライズとXYZですか？』


「正解〜」



そう言いながらバーカウンターからこちら側へと移動して私の隣へ腰掛けた。



「どっちがいい？どっちも度数は低くして作ってるよ」


『スンチョルさんはどっちがいいですか？』


「なら、XYZを俺に渡して？」


『分かりました！どうぞ？』


「ふふ、ありがとう」



そう嬉しそうに笑ったスンチョルさんはXYZを一口喉を鳴らして飲んだ。


私もテキーラサンライズに口をつけると、本当に度数を低くしていてすごく飲みやすく作ってくれていた。



「Aに問題だよ」


『えっ？何ですか？』


「テキーラサンライズとXYZのカクテル言葉は？」


『えっ！えぇ……二つとも知りませんよー……』


「じゃあー、ヒントね？」


『はい』


「俺の気持ち」


『スンチョルさんの気持ち？』






スンチョルさんの気持ちなんて分かるはずがない。しかも今回は二つもある。答えが二つもあるなんてほぼ無理じゃないの？



前に聞いた事があるならまだしもこの二つ自体聞いた事が無いから思い出す事すら出来ない。




うーん、と悩んでも当たり前のように答えなんて出るはずが無かった。
　
　
　
　
　

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