百四十七話。 ページ48
Aside
それからまぁ、一週間でみるみるうちに金ってもんは溜まっていくもので。
目標金額にもう少し、あと３、４回ほどで届くなぁって頃になってそれは起こった。男の人を取っ替え引っ替えして、それから金をせびって。
ねだって。
それもこれも、何もかも全く怖くも苦しくもなかったし嫌だとも思わなかった。
だって、あの子のためだもの。
私の唯一の家族のあの子は、私の弟ってだけで損な人生を送らせている。
私のせいならちゃんと私が責任を取らなきゃいけない。
あの子がこの先、笑えるようにしないといけない。悲しまないようにしないといけない。
誰かと笑い合って生きていければいい。
きっと、それには私が不要だ。
だから、もう何も考えないよ。
あの子のためにできる最善を。
そうやって私は生きてきた。
これからも、そうするつもりだ。
「…A、ちゃん？」
それは唐突だった。
いつものように店に入ろうとした。笑って、ニコニコと甘い声を出して。
私の日常にそれは蔓延っていた。
消せないものだ。
その時、お茶子ちゃんが何を思ったのかは知らない。分かりたくもない。
「…っ、行くよ！」
思い切り、男を押して転ばせて。
私の手を取って、私は呆然として、お茶子ちゃんはそのまま私を引っ張った。
真っ直ぐ、どこに向かうのかもわからないままに。
しばらくして、誰もいない公園についた。
お茶子ちゃんは身体を震わせて、こちらをゆっくりと見やると、肩を掴んで叫んだ。
「…、何しとるん！
どこに行こうとしてたの！
ねぇ、なんで？
なんであんなふうに……。」
言葉を振り絞るように言って、考えあぐねるように黙り込んでしまった。
私からしたら、何がなんだかわからない。
「なんで、あのお店に入ろうとしたの。
なんで、あんなことになれとると。」
吐かれる言葉は、何故だが痛々しく思えた。
どうしてそんなことを言うのか全くわからない。他人だろう。
関係のないことだ。
巻き込まれでもしたらどうするつもりだったんだろう。危険だということはわかっているだろうに。
「…なんで、そんなこと言うの？」
それは素直な、純粋な疑問符だった。
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ミナミ(プロフ) - 佐々さん» ありがとうございます！相澤先生かっこいいですよね、私も推しなのですごく分かります！褒めていただけて嬉しいです！これからもよろしくおねがいします！ (2021年6月24日 18時) (
レス) id: f5a254d1c8 (このIDを非表示/違反報告)
佐々 - 相澤先生推しなのでとても嬉しいです！夢主の気持ちの揺らぎ方がとってもうまく書かれていてすごいです！これからも頑張って下さい！！ (2021年6月21日 19時) (レス) id: 664e728fec (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - サキさん» どうもありがとうございます！不定期ですが、何卒宜しくお願いします！ (2021年6月7日 17時) (レス) id: f5a254d1c8 (このIDを非表示/違反報告)
サキ - 文章力があり、とても羨ましいです！！更新応援してます！ (2021年6月6日 13時) (レス) id: 9e2ae1981f (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - ありがとうございます！更新遅くなりましたがこれからもどうかよろしくおねがいします！ (2021年5月30日 21時) (レス) id: f5a254d1c8 (このIDを非表示/違反報告)
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