百四十六話。 ページ47
Aside
「ごめんなさぁい、遅れました。」
甘ったるい声を出しながらそういって、目の前の男のところに行った。
そうして、私はニコニコと笑って腕を絡ませ、その男がいい気分になるように振る舞った。
ご機嫌取りは得意だ。
「いいんだよ、大丈夫かい？」
「はい！お陰様で！」
そう言ってそっと体のラインをなぞりながら、そっと囁くように声を出した。
それだけで目の前の社長さんはニヤつく。
「ねぇ、早く行きましょ？」
気持ち悪い男で、気持ち悪い女だな、私は。
吐息を混ぜながら、そんな声を出すだけで私を女として認識する眼の前のおっさんは嬉しそうに顔をニヤけさせた。
「わかっているよ。
一番いい部屋を取っているんだ。
サービス、してくれるんだろ？」
そう、期待するような声で男はそう言って私の顎を取って首に顔を埋めてきた。
気持ち悪い感触に、気持ちの悪い声。
吐き気のするような感覚を我慢しながら、無視しながら、感じないように意識しながら、私も誘うようにまた手を絡ませた。
そして、また甘い声で囁くのだ。
「もちろんよ。」
その後は何もかもがなし崩しだった。
私の腰を掴んで、男はそのままホテルにもつれ込んだ。そういうホテルだけど、物凄いいい部屋だという印象だった。
きれいで、ベッドが大きい。
笑っちゃうくらい、いい値段なんだろう。
ホテルの値段なんか気にしないからその分金をくれ、なんて思うけど口には出さないことにした。
気分を悪くさせないように。
まぁ、既に男は私の体を貪り始めていたんだけれどね。
この人、どうやら私みたいな若い女、っていうのか好きみたいで私から見ても都合がいい。
適当にやっていればいいんだもの。
お金を稼ぐために喜ぶような声を出して、演技をして。そんなことはもう慣れっこだった。
早く終わんないかな。
終わってくれないかな。
それでもまぁ、このおっさんが辞めようとしたら引き止めるんだけど。
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ミナミ(プロフ) - 佐々さん» ありがとうございます！相澤先生かっこいいですよね、私も推しなのですごく分かります！褒めていただけて嬉しいです！これからもよろしくおねがいします！ (2021年6月24日 18時) (
レス) id: f5a254d1c8 (このIDを非表示/違反報告)
佐々 - 相澤先生推しなのでとても嬉しいです！夢主の気持ちの揺らぎ方がとってもうまく書かれていてすごいです！これからも頑張って下さい！！ (2021年6月21日 19時) (レス) id: 664e728fec (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - サキさん» どうもありがとうございます！不定期ですが、何卒宜しくお願いします！ (2021年6月7日 17時) (レス) id: f5a254d1c8 (このIDを非表示/違反報告)
サキ - 文章力があり、とても羨ましいです！！更新応援してます！ (2021年6月6日 13時) (レス) id: 9e2ae1981f (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - ありがとうございます！更新遅くなりましたがこれからもどうかよろしくおねがいします！ (2021年5月30日 21時) (レス) id: f5a254d1c8 (このIDを非表示/違反報告)
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