百四十三話。 ページ44
Aside
「それで、こちらに引き込む生徒はどの子がいいと思う？」
「…まだ、目星が立ってないの。
と言うか、迷ってるって言うか。」
「さすが雄英高校と言ったところかな。
いい個性の子が、たくさんいるしね。ああ、でも弔が気にいる子がいいね。」
「分かってる。」
死柄木が気に入りそうでこちら側に向いているような、人。
正直言ってどうすればいいのか分からなかった。だから、引き伸ばしてしまっている。
そんなことをしている暇はないのに。
自分が何に迷っているのかもわからなかった。
最近は、何もかもが曖昧で靄がかかったようにぼやけている気がする。
私が一番に優先するのは陽太で、それ以外は正直どうでもいい。
強いて言うならヒーローは痛い目見ればいい。特にオールマイトとかは。
何ていう風に思っていたのに。
なんで、すぐに決められると思ったのに決められないのだろう。
「まだ、時間はあるからね。
そうだ、弔の仲間を今探しているんだよ。もうじき、会えるからね。」
「…仲間？」
「ああ、次は失敗できないからね。念入りに探しているんだよ。」
次の襲撃にもうそこまで備えているのか。
となると、私が誰にするか決めたらすぐに行くのかな。そこまでは想定ができた。
「いつ行くの？
時期によっては、私は参加できないわよ。」
「ああ、もちろんそこは君の事情を優先しなさい。こちらは大丈夫だからね。
それに、君がいないということでアリバイも成り立つだろう？
念には念を、だよ。」
そう言い、男は愉快そうな顔をした。
これからの計画がどうなっていくか、楽しみで仕方がないといった様子で。
これからどうなるかなど、あの子が生きてさえいれて、あの子が幸せに生きられるなら何も気にはしない。
でもその未来を求めるなら、この敵連合は邪魔だな。
「じゃあ、話は終わったわね。
私、もう行くわ。」
「ああ、雄英高校の方にはこちらから適当に親戚の保護者とか名乗って誤魔化しておこう。
A、ありがとう。」
「…いいのよ、
私だって、あなたの思想に共感してここにいるんだし。それに、あなただけなのよ。
私をちゃんと救ってくれた人は。」
吐き気がするほどの嘘を吐き、にこやかに笑ってみせた。
これでいい。
何も、何もバレていない。
これが最善だったのだから。
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ミナミ(プロフ) - 佐々さん» ありがとうございます！相澤先生かっこいいですよね、私も推しなのですごく分かります！褒めていただけて嬉しいです！これからもよろしくおねがいします！ (2021年6月24日 18時) (
レス) id: f5a254d1c8 (このIDを非表示/違反報告)
佐々 - 相澤先生推しなのでとても嬉しいです！夢主の気持ちの揺らぎ方がとってもうまく書かれていてすごいです！これからも頑張って下さい！！ (2021年6月21日 19時) (レス) id: 664e728fec (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - サキさん» どうもありがとうございます！不定期ですが、何卒宜しくお願いします！ (2021年6月7日 17時) (レス) id: f5a254d1c8 (このIDを非表示/違反報告)
サキ - 文章力があり、とても羨ましいです！！更新応援してます！ (2021年6月6日 13時) (レス) id: 9e2ae1981f (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - ありがとうございます！更新遅くなりましたがこれからもどうかよろしくおねがいします！ (2021年5月30日 21時) (レス) id: f5a254d1c8 (このIDを非表示/違反報告)
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