百四十一話。 ページ42
Aside
「…君の望みは、必ず僕が遂げて見せよう。
でも、やはりそれには君の力が必要不可欠なんだよ。」
怪しく笑ってそう言った。
この男が何を望んでいるのか、どんなことをやろうとしているのかはわからない。
でもこの男に協力しなければ私は陽太を助けることはできなかった。何もかもが変わってしまったあの日、協力するということを選ばなければ。
どう考えても、この男のおかげで私の望みは叶っている。
「分かってる。
こう見えても感謝してるんだから。
あなたがいなきゃ、私達今頃死んでたもの。ヒーローも、誰も来てくれないあの家で。」
どうすればよかったのか、あの日に問いかけてもきっと何度でも同じ選択をする。
私は、どうしてもあの子に生きてほしいから。
間違っていても、構わない。
それに、間違っているとも欠片も感じたことはない。敵って、そんなもんだし。
「だから、私はここにいるの。
陽太の、あの子のためだけじゃない。
この社会を嫌ってるのは、死柄木やあなただけじゃないのよ。
あの子の姉である手前、犯罪は極力避けたいけどさ。
腹をくくれるまで、待ってて。」
どうしたいのか、私にだってよく分かっていない。
敵になりたいのか、なりたくないのか。
ヒーローには、なりたくないな。
寒気がするくらい、嫌いで、吐きたくなる。今の私は、敵だと思う。
ヒーロー側に入って、情報を渡しているし。今更、逃れられないものね。
何がしたいんだろう。
「…ああ、待っているよ。
君が、真にこちら側にやってくるときをね。」
ニンマリ笑った顔を見て、また気味が悪いと思った。
「そう言えば、何故お金のことなら強請らないんだい。
君なら相応の額を渡すのに。」
「…だって、こんなにしてもらってるもの。
私がそれ以上を求めてるなら、私が自分でどうにかするのが礼儀でしょ。」
そう言うと男はまた笑った。
さっきよりもまた、不気味な笑みでこちらをじっとりと見ている気がする。
「それで、任務のほうはどうだい？」
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ミナミ(プロフ) - 佐々さん» ありがとうございます！相澤先生かっこいいですよね、私も推しなのですごく分かります！褒めていただけて嬉しいです！これからもよろしくおねがいします！ (2021年6月24日 18時) (
レス) id: f5a254d1c8 (このIDを非表示/違反報告)
佐々 - 相澤先生推しなのでとても嬉しいです！夢主の気持ちの揺らぎ方がとってもうまく書かれていてすごいです！これからも頑張って下さい！！ (2021年6月21日 19時) (レス) id: 664e728fec (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - サキさん» どうもありがとうございます！不定期ですが、何卒宜しくお願いします！ (2021年6月7日 17時) (レス) id: f5a254d1c8 (このIDを非表示/違反報告)
サキ - 文章力があり、とても羨ましいです！！更新応援してます！ (2021年6月6日 13時) (レス) id: 9e2ae1981f (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - ありがとうございます！更新遅くなりましたがこれからもどうかよろしくおねがいします！ (2021年5月30日 21時) (レス) id: f5a254d1c8 (このIDを非表示/違反報告)
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