百四十話。 ページ41
Aside
そのアジトに向かうために、ひたすら歩いた。電車に乗るお金もなかったし。
言えば車を出してもらえるんだろうけどそれが嫌だった。当たり前じゃん。
あんな男の車乗りたくないし。
アジトは今、山の中に隠されている。
オールマイトが静岡に来てから、やつも拠点を静岡に移したと聞いた。
まぁ、どうせすぐ変えるんだろうけど。
それでもその場所は逐一知らせられるし問題はない。
アジトにつくと、いつもどおり気持ち悪いものに繋がれたあの男が悠々と座っていた。
いつものことながら腹が立つ。
「…久しぶりだね、A。」
「こんばんは、先生。」
私は一応、言われた通りに先生と呼んでいるけれど、これが気に入ってるわけじゃない。
死柄木とはまた別の理由で呼んでる。
忠誠心だのを示すにはこれが一番だと思ったし。
それにこの男は自分に従うものを好む傾向にある。私も従っておいて損はないと幼いながらに感じて以来ずっとこのまま。
「今日はなんのようだい？」
「…薄々、気づいてるでしょ？
お休みが欲しいの。あの子の容態が急変したから。聞いてるでしょ。」
そう言うと、ゆっくりと顔に笑みをそいつは浮かべた。
やはり気色が悪い。
何を考えているかもよく分からないし、それになんだろうか、言動が好まない。
そして、この男と話している時はいつも背筋に怖気が差す。
体が拒否する、ってこんな感じなんだろう。
「ああ、そうだったね。
雄英高校での任務に差支えなければもちろん、構わないよ。」
「差し支えないわよ。
私、言われたことはちゃんとやるしそれに陽太のことがなくてもあなた方に従うもの。
オールマイト、殺すんでしょ？」
「ああ、もちろん。」
オールマイトを、殺してほしいと願う頃があった。今も、もしかしたらそうかも。
私とこいつは利害が一致してる。
結局私は根っからの敵なんだから。
従うのは癪に障るけど。それでも、あの子を救うためなら自分にある能力を最大限に使う。嘘を吐き、そして笑いかける。
この男に向かって、騙し続ける。
オールマイトは、嫌いだ。
ヒーローも。
敵も。
この男も。
でも、恩は返さないといけないし。
それにこの敵もいずれ潰す。だって、あの子にとってはないほうがいいものね。
ヒーローたちはあの子に害がない。だから、きっと残しはするだろうな。
男は未だ、笑っている。
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ミナミ(プロフ) - 佐々さん» ありがとうございます！相澤先生かっこいいですよね、私も推しなのですごく分かります！褒めていただけて嬉しいです！これからもよろしくおねがいします！ (2021年6月24日 18時) (
レス) id: f5a254d1c8 (このIDを非表示/違反報告)
佐々 - 相澤先生推しなのでとても嬉しいです！夢主の気持ちの揺らぎ方がとってもうまく書かれていてすごいです！これからも頑張って下さい！！ (2021年6月21日 19時) (レス) id: 664e728fec (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - サキさん» どうもありがとうございます！不定期ですが、何卒宜しくお願いします！ (2021年6月7日 17時) (レス) id: f5a254d1c8 (このIDを非表示/違反報告)
サキ - 文章力があり、とても羨ましいです！！更新応援してます！ (2021年6月6日 13時) (レス) id: 9e2ae1981f (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - ありがとうございます！更新遅くなりましたがこれからもどうかよろしくおねがいします！ (2021年5月30日 21時) (レス) id: f5a254d1c8 (このIDを非表示/違反報告)
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