百二十八話。 ページ29
Aside
歩きながら、お茶子ちゃんは私を案内してくれた。ニコニコとしていて楽しそうに。
私もそんな感じを取り繕った。
楽しげな、お茶子ちゃん。
何も知らない、お茶子ちゃん。
「えーっとね、もうちょっとでつくからね！
そうだ、お昼ごはんどうする？」
「…あーっ、考えてなかったや。
どうしようかなぁ。」
まぁ別に食べなくてもいいんだけど。
そう考えていたことがバレたのか、お茶子ちゃんは私を見て少し怒ったように言った。
「Aちゃん、こないだ倒れたばっかなんやから、ちゃんと食べなきゃいけんよ！
そうだなぁ、一緒にお昼ごはん作る？
Aちゃんが手伝ってくれたら早く終わりそうやし！」
「…えっ、でもやったことないよ？」
「大丈夫、切って焼いておけば形にはなるから！一人分も二人分も変わらんしね！」
そう言ってスキップをしだしたお茶子ちゃんを見て、逃げられなさそうだなぁ、なんて思った。
料理かぁ。そんなに楽しい事なのかな。
私はやったことないしよく分かんないけど。
でも、お茶子ちゃんが楽しそうにするのならきっと楽しい事なんだろうな。
気がつけばそんなことを考えていた。
「ほら！早く行こ！
私んち、もうちょっとだから！」
「あっ、うん！」
そう言われて、お茶子ちゃんについていくように曲がり角を曲がった。
そうすると、お茶子ちゃんはあれ！と言ってアパートを指さした。
あれなのか、なんて思いながらついていって、お茶子ちゃんと一緒に中に入った。
「さっき片付けてきたからある程度はきれいやと思うけど…古いし、やっぱりそこはどうにもならんかったんよ。
あっ、早くお昼作ろ！」
「うん、そうだね。」
お茶子ちゃんは台所へ行って、あーでもないこーでもないとか言って材料を出していた。
お茶子ちゃんは普通の女の子の部屋って感じで、何も物がない私の部屋とはやっぱり大違いだと思う。
いろんな家具やものを見て普通って、こんな感じのことを言うんだろうなぁ。そんなことをぼんやりと思った。
「Aちゃん何が食べたい？」
「えっ、なんでもいいよ？」
「…そっかぁ。
あ、じゃあAちゃん作ったことないって言ってたしここは手軽に野菜炒めとかは？
実は、私もそんな料理できんのよね…。」
目を泳がせながら照れるようにお茶子ちゃんはそう言った。
「うん、いいよ！」
そんなこんなで私達の料理が始まった。
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ミナミ(プロフ) - 佐々さん» ありがとうございます！相澤先生かっこいいですよね、私も推しなのですごく分かります！褒めていただけて嬉しいです！これからもよろしくおねがいします！ (2021年6月24日 18時) (
レス) id: f5a254d1c8 (このIDを非表示/違反報告)
佐々 - 相澤先生推しなのでとても嬉しいです！夢主の気持ちの揺らぎ方がとってもうまく書かれていてすごいです！これからも頑張って下さい！！ (2021年6月21日 19時) (レス) id: 664e728fec (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - サキさん» どうもありがとうございます！不定期ですが、何卒宜しくお願いします！ (2021年6月7日 17時) (レス) id: f5a254d1c8 (このIDを非表示/違反報告)
サキ - 文章力があり、とても羨ましいです！！更新応援してます！ (2021年6月6日 13時) (レス) id: 9e2ae1981f (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - ありがとうございます！更新遅くなりましたがこれからもどうかよろしくおねがいします！ (2021年5月30日 21時) (レス) id: f5a254d1c8 (このIDを非表示/違反報告)
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