百二十七話。 ページ28
Aside
急いで街を走った。
病院を出て、真っ直ぐに駅に向かうけど信号に引っかかったりしてすぐには行けそうにない。そもそも、ちょっと面倒なところに駅があるし。
お茶子ちゃん、待ってくれてるかな。
遅くなっちゃったしきっともういないよね。そうなったら仕方ない。
服は返しに行こう。
信号が変わったら、また走った。
それからしばらくして、ようやく駅についた。駅には沢山の人がいて、賑わってる。
どこにいるんだろう、って思いながら駅の構内の方に歩いていった。
お茶子ちゃんの姿は見えない。
どこなんだろう。
時計を見てみると、もう11時半を過ぎていて約束とだいぶ遅れてしまってる。
やっぱり、もう帰っちゃっただろうな。
私、遅かったもんなぁ。
「…あっ、Aちゃん！！
こっちこっち！！」
振り返ると、お茶子ちゃんがいた。
手を振って、私のことを手招きして呼んでいる。待っててくれたんだ。
「…ごめん、遅くなって！
…待ってて、くれたの？」
「うん、連絡取れなかったし…。
でもAちゃんが遅れるって、よっぽどのことがあったやと思ったの。
それに、来てくれると思ってたから。」
笑って、お茶子ちゃんはそう答えた。
やっぱりお茶子ちゃんといると、私が心にした蓋を容易く開けられてしまいそうになる。
開けないで、って言いたくなる。
気づいてしまいそうになるから。
気づいていはいけないことに。
私は敵なの。
ずっと、ずっと前からヒーローを嫌う敵なの。敵じゃなきゃいけないの。
そうじゃないと、いけないんだよ。
お茶子ちゃんのことも、みんなの事も好きじゃない。
……そうなんだよ。
ずっと、笑って嘘ついてるんだよ。
ねぇ、そう言ったらお茶子ちゃんはどんな顔をするんだろうね。驚くかな。
「…ごめんね、遅れて。」
「いいんよ！その代わりいっぱい教えてもらうもんね！」
「…待たせてごめんね。」
「…いいんだってば！
…それに、ごめん、よりありがとうの方が私は嬉しいなぁ。」
「…ありがとう？」
「うん！」
「…ありがとう、お茶子ちゃん。」
「どういたしまして、Aちゃん。」
吐き気がする。
自分自身に。
何かが変わってきてしまっていると思うことに、気づいてしまっていることに。
変わっているという事実に。
ねぇ、お茶子ちゃん。
…だいきらい、だよ。
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ミナミ(プロフ) - 佐々さん» ありがとうございます！相澤先生かっこいいですよね、私も推しなのですごく分かります！褒めていただけて嬉しいです！これからもよろしくおねがいします！ (2021年6月24日 18時) (
レス) id: f5a254d1c8 (このIDを非表示/違反報告)
佐々 - 相澤先生推しなのでとても嬉しいです！夢主の気持ちの揺らぎ方がとってもうまく書かれていてすごいです！これからも頑張って下さい！！ (2021年6月21日 19時) (レス) id: 664e728fec (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - サキさん» どうもありがとうございます！不定期ですが、何卒宜しくお願いします！ (2021年6月7日 17時) (レス) id: f5a254d1c8 (このIDを非表示/違反報告)
サキ - 文章力があり、とても羨ましいです！！更新応援してます！ (2021年6月6日 13時) (レス) id: 9e2ae1981f (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - ありがとうございます！更新遅くなりましたがこれからもどうかよろしくおねがいします！ (2021年5月30日 21時) (レス) id: f5a254d1c8 (このIDを非表示/違反報告)
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