百九十三話 ページ45
Aside
緑「…先輩？
先輩っ、大丈夫ですか？怪我がっ」
通「…大丈夫。
アリア、ちゃん……ごめん。約束、守れなかったよ。
まだ、間に合うかもしれない…。壊理ちゃんを助けてくれ。俺はいいから。」
腹部からの出血。
もう、動けないほど。そんなに酷いのにこの人は……。そんな状態なのに守り抜いたんだ。
きっとここまで一緒だった。
辛くて張り詰めていたものが切れてしまっただけだ。
この人を攻められない。
攻める権利なんて無い。
尚更、行かないと。
壊理ちゃんを助けないと。
緑「…分かりました！
壊理ちゃんを助けます！必ず保護してあの子が笑顔でいられるようにします！
先輩は休んでてください。
時期に応援も来ます。もう、充分ですよ。後は他の人に任せてもいいです。」
通「本当に、ごめん。
頼んだよ、壊理ちゃん。
あんなに、優しい子なんだ。あの子が笑えない世界なんてそんなの俺は嫌だ。」
緑「…そんなの……皆一緒ですよ。」
あたしに対しては誰もそんなこと思いはしないだろう。
そんなことを思っても無駄なのにな。
まだ、愛されたいと望んでいるのか。
絶対に得られないものなのに。
諦めなければならないのに。
いや、こんなこと考えている暇はない。
急がないと。
あたしは、片足で走り出した。
右足が酷く痛い。
もうずいぶん走ったから溶けていない方も痛みを感じている。
溶けた方はもう、見るも無惨と言ったところになってきてしまっていて矢張、一度切って作り治さないといけないと思った。
あたしはいつも、サーに言われる言葉が理解できなかった。自分を大切にしろと。
自分のことも少しは考えろと。
考えられなかった。何をしても、どうすればいいのか分からない。だっていない方がいい人間なんだもの。そんなこと、するまでもないような人間なのに。
どうしてそんなことを言うのか。
瓦礫につまづいて何度目か、またこけた。
急がないといけないのに。
時間がないのに。
壊理ちゃんを助けられない。手遅れになってしまう。治崎が逃げてしまう。
そんなの絶対あってはいけない。
先輩はあんなになるまで頑張ったんだ。他の人も最善を尽くしているんだ。
何に変えても助け出さないといけない。
待ってて。
君が笑えるようにして見せるから。
痛くて辛いよね、分かるよ。
助けるから。
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ミナミ(プロフ) - 今井 明希さん» ありがとうございます！続編もこれからもよろしくお願いいたします！ (2020年2月12日 22時) (
レス) id: 4b9f084e7b (このIDを非表示/違反報告)
今井 明希(プロフ) - 面白いです！最新がんばってください！ (2020年2月12日 0時) (レス) id: d714c1a6ae (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - 読んでくださってありがとうございます！背景ちょっといつも考えていたので気づいてもらえて嬉しかったです！これからも頑張るので宜しくお願いします！ (2020年1月29日 22時) (レス) id: 4b9f084e7b (このIDを非表示/違反報告)
メガネザル - 面白くて一気に読んじゃいました！ 更新頑張ってください！応援しています(*´▽｀*) (2020年1月28日 22時) (レス) id: 7074a2782f (このIDを非表示/違反報告)
みけねこ - 続編応援してます！これからも頑張ってください。毎回、後ろの背景?が変わって何かワクワクしてます(語彙力がない) (2020年1月28日 21時) (レス) id: 717af831f6 (このIDを非表示/違反報告)
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