百七十二話 ページ24
Aside
愛だの恋だの、好きだの。
昔からどんなものなのか分からなかった。理解していたのは人は愛さなければならないものと言うだけ。
皆平等に愛する、何て言う美学のみ。
相澤先生、のことが好き。
丸で、パズルのピースがぴったりはまるかのようにしっくり来た言葉。
昔から向けられ続けた否定の目を向けない、優しい目。あったかい手。生まれて初めてかけられた心配してくれた言葉。
何もかも知らなかった。
初めて知った、大きな感情。
どうすればいいのか、分からない。世間一般的に好きな人には告白するもの、なのだろうけれど。
出来るわけがない。
先生があたしにそうしてくれるのは、義務だから。
ヒーローだから、あたしの担任の先生だから、何て言うありふれた理由だから。
そこに先生の個人的な感情は含まれていない。分かっている。それでも。どうしようもなく、溢れ出してしまいそうな位に膨れ上がってしまっている。
抑えきれない。
やらなきゃいけないこと、沢山あるのに。どうしようもなく、先生を見てしまう。
ダメだ。
分かっている。
教師と生徒。許される訳がない。
あたしなんかが愛される訳がないのに。
皆平等に愛する何てもの、本当に只の美学にしかならない。
だって、そうなら……あたしはあんな思いしなかった筈だもの。楽しく生きていけた筈だもの。少なくとも笑って過ごせた。
笑い方すら忘れてしまって……。
この世界に神様なんていない。
生きる価値も無いようなあたしが先生を好きになる何てそんな大それた事。
相「おい、ボーッとするな。」
緑「っ、はい！」
相「インターン明けでも、容赦するつもりは無かったが……流石にヤバイなら休んどけ。
最近、行くのも帰るのもキツい時間だろ。」
緑「っ、分かりました。」
ヒーロー基礎学。
先生がこんな言葉をかけてくれるのも、あたしが生徒だから仕方なくと言うだけ。
それでも、声を聞くだけで安心する。
明日もサーたちと一緒に頑張ろうって思える。どれだけキツくても耐えられる。
そんな気がするんだ。
胸が苦しいや。
こんな……こんなこと。
先生。
いつの間にか、こんなにも好きになってしまっていた。
先生になら、触れられるの怖くないんだ。絶対に殴られないって安心できるんだ。
先生。
この気持ち、絶対に言わないから。気付かれないように心の奥底に閉まっておくから。
先生もお願いだから気付いてしまわないで。
只の生徒であり続けるから、お願い。
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ミナミ(プロフ) - 今井 明希さん» ありがとうございます！続編もこれからもよろしくお願いいたします！ (2020年2月12日 22時) (
レス) id: 4b9f084e7b (このIDを非表示/違反報告)
今井 明希(プロフ) - 面白いです！最新がんばってください！ (2020年2月12日 0時) (レス) id: d714c1a6ae (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - 読んでくださってありがとうございます！背景ちょっといつも考えていたので気づいてもらえて嬉しかったです！これからも頑張るので宜しくお願いします！ (2020年1月29日 22時) (レス) id: 4b9f084e7b (このIDを非表示/違反報告)
メガネザル - 面白くて一気に読んじゃいました！ 更新頑張ってください！応援しています(*´▽｀*) (2020年1月28日 22時) (レス) id: 7074a2782f (このIDを非表示/違反報告)
みけねこ - 続編応援してます！これからも頑張ってください。毎回、後ろの背景?が変わって何かワクワクしてます(語彙力がない) (2020年1月28日 21時) (レス) id: 717af831f6 (このIDを非表示/違反報告)
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