七十八話 ページ30
Aside
バ「はい、Aちゃん。
服はもう乾いてたので渡しておきますね。その服はAちゃんにあげます。
Aちゃんに似合ってますし、それに来て帰る服が無いでしょう？」
緑「…いいんですか？」
バ「もちろん！
私が貰って欲しいんですから！」
緑「…ありがとうございます。」
そう言って、頑張って笑った。
笑った方がいいのかな、と、思ったから。もう、笑うことを苦には思わない。
バ「Aちゃん、笑った方が絶対いいです！！
すっごい可愛かったですよ！でしょう、サー！」
サ「嗚呼。
A。変わったな。」
サーは優しい目であたしを見た。
なんだか、その感覚がくすぐったくって……凄く嬉しくって…。
この時間がずっと続けばいいのに、とすら感じた。
サ「…聞いていいか？
何故、あの場に昨日倒れていたんだ。見た限り外傷はない。
Aなら、自分が傘を差さずに雨の中に入ると言うのはどれほど無謀なことか、分かっている筈だろう。」
そう、聞かれた。
聞かれないとは思っていない。聞かれることは予想していた。
でも、なんて言えばいい？
本当の事を言ったとして……サーは…。
サーなら、あたしを見捨てないでくれる？母さんにすら気付かれない。その事で嗚呼なって馬鹿にはしない？
バ「Aちゃん、サーなら絶対に大丈夫ですから！人に話すのは怖いかも知れませんけど……。
サーと私にとっては、Aちゃんの安全の方がずっと大事なんですよ。」
バブルガールさんはそう言ってくれた。
あたしは、話すことに決めた。これが正しいのかは分からない。
でも、話さないといけない。
サーはもう関係しているんだから。もしかしたら解決策を教えてくれるかもしれない。
緑「…昨日はいつも通り家に帰ったんです。
母とはもう何年もまともな話をしてないんです。喧嘩をしているわけでも、ないんですけれど……。
あたしってほら、こんな個性でしょう？だから、話すことなんて何年も……。
それでも……それでも…家の、鍵……あれだけは開いてたんです…。
それが、昨日、は……。」
もう、なにも言えなかった。
どうしようもなく悲しくて、涙が溢れてきた。扉が開いてなかった。
それだけ、それだけなのに。
お前は、家族じゃないと言われた気がして。
それが一番、悲しかったんだ。
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すぐる - 50話の「応用が利く」のところが「応用が聞く」になっています。細かくてすいません🥳 (2023年1月12日 0時) (
レス) @page2 id: a8ac25d13a (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴,,, - この作品のおかげでサーを推しはじめた (2022年12月27日 1時) (レス) @page4 id: e85af83036 (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 轟の成長みたいな感じですか？ 母が言っていたセリフも似ていますよね！ (2022年7月28日 20時) (レス) @page20 id: 279e5ec09b (このIDを非表示/違反報告)
たむたむ - ミリオの個性は通過じゃなくて透過だよ (2021年10月11日 22時) (レス) @page2 id: 124affbb66 (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - 脱線脱出tomorrow さん» ありがとうございます！これからもよろしくお願いいたします (2019年12月11日 4時) (レス) id: 4b9f084e7b (このIDを非表示/違反報告)
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