二百七十一話。 ページ22
爆豪side
テレビでその様子は中継されていた。
エンデヴァーの戦いもすべて映し出されていて、なんとなしに談話室で見ていた。
そこにはほかの丸顔や舐めプ野郎もいて、クラスの奴らは大体そろっていたはずだ。一人、まだインターンを終えていないあいつを除いて。
「ガハッ…、」
脳無が出したものが見事に体を貫いていた。そして残酷にもそれはテレビで映し出される。多くの人間が見ているであろう画面に。
その後方からはまだ戦っているであろうエンデヴァーやホークスの声まで聞こえてきた。
「え…。」
最初に声を出したのはたぶん、丸顔だったんじゃないか。
丸顔は驚いたように動かない。
誰も声など出せてはいなかった。
「え、エル…！！」
アナウンサーはしりもちをついてあまりの光景に立ち上がることが出来ずにいた。それもそのはず、まだ突き刺さったままなのだ。
刺さった位置は左の脇腹より少し上の位置。
肺に直結する場所だろう。
そんなところをあんな風にされてしまって、果たしてそれでもあいつは生きていられるのか。
「…私は大丈夫です！こんなのすぐに治せちゃいます。
だから、ここは危険なので避難をしてください！」
いつものようにそういった。
その笑顔は昔、幾度となく見てきたものだった。自分がずっと探し続けていたものだった。
何故こんなに近くにいてきがつかなかったのだろうか！いや、見つからなさ過ぎていつしか探すことすら気づかぬうちにやめてしまったのかもしれない。
ともかく、長年ずっと探し求めていた人間を見つけたのである。
クラスメートが口々に言葉を取り戻す中でそいつはアナウンサーどもが走っていくのを見送った後にマンションにたたきつけられていた。
その瞬間に悲鳴が上がる。
さすがに死んだのではないかという声が上がって、歯を食いしばる。
自分はあの場に行く権利すら得ていないというのが腹立たしかった。
『お前を必ず見つけ出してきっと、助ける。』
確かにそう、誓ったはずなのに。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 440人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミナミ(プロフ) - yuaさん» ありがとうございます！これからのシリーズもどうぞよろしくお願いいたします！！！ (2022年10月23日 16時) (
レス) id: 6614ae932f (このIDを非表示/違反報告)
yua - コメント失礼します! シリーズ全部読ませてもらいました! 全部面白くて、感動しながら読んでいます。 更新頑張ってください!! (2022年10月22日 15時) (レス) @page50 id: 658ebb7b55 (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - Reeさん» ありがとうございます！更新頻度も気まぐれだというのに多くの方々に読んでいただけてうれしいです！これからも応援よろしくお願いします！ (2022年10月18日 20時) (レス) id: dce04d5ff9 (このIDを非表示/違反報告)
Ree(プロフ) - はじめまして！いつも楽しく読ませて頂いてます！凄く面白いです。爆豪と相澤先生推しなので更に最高と思いながら♡これからの展開がとても楽しみです。陰ながら応援してます。 (2022年10月17日 19時) (レス) @page47 id: dbef1d39c6 (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - にゃんこうどんさん» ありがとうございます！！とても嬉しいです!爆豪くんもかっこいいですよね…人気投票１位なのもなっとくですしギャップ萌えやばいですよね！これからもこの作品をよろしくおねがいします！ (2022年9月19日 14時) (レス) id: 6614ae932f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
