二百二十九話。 ページ30
Aside
にっこりと笑って女の子に声をかける。
手から血が見える。足も折れていそうだ。なるべく痛いことは避けたいから。触診は可能な限りやりたくはない。必要ならもちろんするんだけど。
「足がすごく痛いの…。」
「そっか、大丈夫だよ、すぐに良くなるからね。
ほら、見て。キラキラしてきれいでしょ？」
ふわ、と個性が光る。
女の子は興味を示してこちらを見る興味をそらしているうちにそっと足に触れ、一瞬のうちに怪我を治してしまう。
骨折の場合の出力はこれぐらいだったか。怪我はしていないけれど、ちゃんとやらなきゃ意味はないから手は抜かない。この分だとだいぶ疲れそうだな。長期的に個性を使ったことはないから気を付けないと。
「うわぁ！！魔法みたい！」
「もう痛いところはない？」
「うん！」
そうにっこりと女の子は微笑む。
その姿を見てなんだかうれしくなった。こんなものは知っちゃいけないってわかっているんだけれど、どうしてだろう。駄目だ、振り切らないと。
「よかった、じゃあ、このお姉さんと待っててもらっていい？私はお母さんのお怪我治してくるよ。」
「まま、大丈夫？」
「うん、すぐに元気になってゆうかちゃんのところに来るからね。」
そう言ってゆうかちゃんのお母さんのところに向かった。
怪我のほうを目で見る限りは胸のほうが痛がっていて腕の骨も折れているように見えた。できる限り落ち着くような顔を意識して笑いかける。
「お待たせしました、ゆうかちゃんのお母さんですか？」
「…そう、です。」
かなり喋りずらそうだな。
これは速くしたほうがよさそうだ。ゆっくり喋っている暇はない。怪我の範囲を聞いて絞る方が個性は節約できるけれど優先順位が違う。
「ゆうかちゃん元気になってお母さん待ってますからね、もうちょっとだけ頑張りましょ！
…はい、どうですか？」
広範囲に強めに個性をかけると怪我は治ったと判定されたのかお母さんは目を大きく見開いた。さっきのゆうかちゃんもそうだけど皆演技が上手だよな。
「ありがとうございます、痛くないです。」
「何か異変があればまた教えてください。」
「はい。」
「エルさん！！こっちの人お願い！！」
「はい！じゃあ、私はこれで。クリエティ！お母さんお願い！」
「わかりました！！」
目まぐるしく人は運ばれてきた。
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猫(プロフ) - 凄く面白いです！！更新されるたびワクワクしていました(*´ ꒳ `*) (2022年1月23日 0時) (
レス) @page14 id: 159bb94574 (このIDを非表示/違反報告)
hgf、jhさいこうでs - 最高です‼️何回も読み直しています！続きが楽しみです。。。ああ、早く夢主ちゃんを救って欲しい。。。 (2022年1月21日 20時) (レス) @page13 id: 9afd2abc65 (このIDを非表示/違反報告)
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