二百二十八話。 ページ29
Aside
ジリリリリリ
鋭い音で警報が鳴り響く。
もう始まるということなんだろうな。訓練の内容は大体理解ができた。後はうまく立ち回って乗り切るだけだ。何も不安に思う必要はない。
壁が倒れ、そこはもう煙が上がった世界だった。
こんな仕様にするとか、どんだけ金を持っているんだろう。うらやましい限りだ。
すうっと、息を吸ってできる限り大きな声を出す。
「すみません！！聞いてもらってもいいですか！」
皆がこちらを見る。
私は知名度の方は十分にあるはず。結構テレビでも取り上げられているらしいし、実績と信頼はあると思ってもいい。それならそれを最大限利用する他ないだろう。
「ご存じの方も多いと思いますが私の個性は超回復といって回復ができます！救護班を作って安全にけがの治療ができる場所、そして一時的な避難先がほしいです！
個性の都合上そういうことが得意な方や建築に強い個性の方いらっしゃいましたらご協力お願いします！」
私一人では今の設定上そういうことはできない。
自分ができないことは他人に補ってもらい、私は私のできることをやってほかの人の役に立つ。それがヒーローのあるべき姿のはずだ。この時間だけでもそういう存在みたくなりたいのだ。
皆と同じような、そんな存在に。
「了解！俺残るわ！！」
「エル、私も残ります！」
「この近くに作れればいいんだよな？」
「はい、お願いします！」
百ちゃんとか、ほかにも知らない人が何人か残ってくれた。
自分の名前がこんなにも役に立つものだとは思わなかったな。思っているよりもエルというのは大きな存在なのかもしれない。
まあ、やれることをやろう。
「百ちゃんは先にテントとブルーシート出してもらっていい？その後に応急処置のキットもほしいな。個性の限度が来たら教えてね。他の方も！怪我とかあればすぐに報告おねがいします！」
「お任せください！」
「了解！」
大きなテントの下で準備を整えているとさっそくどんどん人が運ばれてくる。
さすがに演技だから本物のケガというわけではないらしい。それならきちんと接したほうがいいな。今は聞かないと怪我の状態がわからない。いつもなら見るだけで充分なんだけれど。やるしかないんだよな。
「この親子先にお願い！」
「了解です！
こんにちは、お名前は？」
「ゆうか、です。」
「痛いところはどこかな？」
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猫(プロフ) - 凄く面白いです！！更新されるたびワクワクしていました(*´ ꒳ `*) (2022年1月23日 0時) (
レス) @page14 id: 159bb94574 (このIDを非表示/違反報告)
hgf、jhさいこうでs - 最高です‼️何回も読み直しています！続きが楽しみです。。。ああ、早く夢主ちゃんを救って欲しい。。。 (2022年1月21日 20時) (レス) @page13 id: 9afd2abc65 (このIDを非表示/違反報告)
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