二百十九話。 ページ20
Aside
［あっ、Aちゃん！
ねえねえ、これ見て！」
「なあに、これ。」
先生とわかれてからみんなのところに行った。そこにいたお茶子ちゃんがおいしそうな食べ物らしい写真を見せてきた。きれいに盛り付けられていてキラキラしているように見える。
最低限動けるだけ食べていればいいと思っていた。
だからこういうのはあまり見たこともない。もちろん、食べたこともない。
「最近流行ってるお店のパンケーキ！！おいしそうやない？」
「うん、きれいだねぇ。」
食べたそうにキラキラした目でパンケーキを見つめるお茶子ちゃんがかわいかった。
普通の人は一緒に食べに行ったりするんだろうか。
友達と二人で行って、カメラで写真を撮って。
インターネットにあげて。
そう思ったら、つい、言ってしまった。
「ねえ、一緒に行こうか。」
行ってしまった後にはっとする。
これくらい、別に陽太の入院費には響かない。一回くらい。どうってことない。
でも、今も陽太は頑張ってる。
一人で、ずっと監視されてるような状況でずっと。
私だけそんな贅沢をするわけにはいかない。
それに私は、お茶子ちゃんやみんなのそばにいていいような人間では、そもそもないのだから、早くなかったことにしないと。
そう思って、お茶子ちゃんにやっぱ、無理って言おうとした。
だけどお茶子ちゃんは大きな目を真ん丸にして、にっこり笑った。
「うん！！Aちゃんと一緒に行きたい！！」
きれいな目で、宝石みたいで。
心から喜んでいることは、個性を使わなくても明らかで。
その一言を飲み込んで、私も笑った。
「じゃあ、仮免取り終わってからね。」
「うう、頑張る！！」
「お茶子ちゃんなら大丈夫だよ。」
大切なものが増えていく感覚がする。
それがこんなに嫌だと思うとは思わなかった。
この先、私は皆を裏切る。
そんなことは火を見るよりも明らかで、私はそうして、私の望む未来を手に入れる。
何年も前に決めたことだ。
なのに、なんで。
なんで。
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猫(プロフ) - 凄く面白いです！！更新されるたびワクワクしていました(*´ ꒳ `*) (2022年1月23日 0時) (
レス) @page14 id: 159bb94574 (このIDを非表示/違反報告)
hgf、jhさいこうでs - 最高です‼️何回も読み直しています！続きが楽しみです。。。ああ、早く夢主ちゃんを救って欲しい。。。 (2022年1月21日 20時) (レス) @page13 id: 9afd2abc65 (このIDを非表示/違反報告)
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