二百十五話。 ページ16
Aside
「あれ、今日コスチュームやないんやね！」
「うん、新しいの作ってもらおうと思って。それに、あれじゃ目立たないからね。」
そう言いながらＴＤＬに向かった。
お茶子ちゃんは首を傾げながら、何かがわかっていないかのように言葉を続けた。
「目立ちたいの？
なんか、前はそんなふうなこと考えてへん感じやったけど…。」
「目立つっていうよりかは、安心させたいんだ。姿が見えるだけで、治してくれる、助けてくれるを連想できるような。
黒は良くないイメージも多いしね、明るくする。」
「ほぇ、そうなんやね。
Aちゃんらしくないって、思ってたけど理由を聞いたらやっぱりAちゃんやね。」
お茶子ちゃんはそう言って笑った。
それから二人で別れて、それで特訓の続きをした。どうにかして、個性を限定させたい。
だけれど、どうにもうまく行かない。
先生もあまり捕まったものではないし、生徒だとなかなか捕まらない。
この個性だけで、頂点に立たないといけない。
私は、あの子を守らなくてはいけなくて、それには力がないといけないから。
死柄木がそれを求めてるから。先生も望んでいるから。
……それだけ？
そのためだけに強くなりたいの？
「Aちゃーん、休憩だって！」
後ろから声が聞こえてきた。
私を呼び止める声。
引き止めてくる声。
ニコニコと笑いながら、こちらに駆け寄ってくる。
「ああ、ありがと！いっしょいこ！」
振り返れば、他の皆がいて。
こちらに向かって手を振っている。
普通みたいだ、と錯覚してしまう。まるで、普通の高校生で、ヒーローを目指している学生で。
当たり前を当たり前として受け止めて生きることができる、そんな、普通が。
私は違っても、彼らは紛れもなく普通の高校生だ。
大人に守られることが当たり前、責任も何もかも伴うけれど、それでも、子供だ。
高校生の決断は責められる。決めたこと、したことがちゃんと罪になる。
でも、守られるべきもので。
それは、敵も変わらないのに。
なんで、こんな世界なんだろうと思う。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 456人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
猫(プロフ) - 凄く面白いです！！更新されるたびワクワクしていました(*´ ꒳ `*) (2022年1月23日 0時) (
レス) @page14 id: 159bb94574 (このIDを非表示/違反報告)
hgf、jhさいこうでs - 最高です‼️何回も読み直しています！続きが楽しみです。。。ああ、早く夢主ちゃんを救って欲しい。。。 (2022年1月21日 20時) (レス) @page13 id: 9afd2abc65 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
