二百三十四話。 ページ35
Aside
寮までの道のりは暑くて、歩くのがちょっと億劫だった。
先生は歩幅を考えてくれているのかいつもよりゆっくり歩いている。ふと、この人が何を考えているのか気になったけれど見るのはやめることにした。
そういう好奇心で人の心は見ていいもんじゃない。
いつもそれで胸くそ悪くなっているんだし。
「仮免、満点だったな。」
ふと先生にそう話をふられた。
結果、そうか、そりゃあ見てるよな。先生の声がいつもよりも優しい感じがしてうれしくなった。頑張ったからなのかな。それとも安心してるのかな。
「うれしかったです。」
どちらでもない気がするのはなんでなんだろう。この二つくらいしか可能性としてはないはずなんだけどな。
「ああ、よく頑張ってたと思う。」
その言葉を聞いて、ああ、と思ってしまったのだ。
私はこのひとに、相澤先生に褒めてほしかったのかもしれない、そんな気がしてしまって、その考えを振り払った。
どれだけ絆されているんだ。
この人も、みんなも、誰も彼もすべてを裏切って、何もかもを終わらせると決めているのだ。
これはすぐ壊されてしまうものなのに。
「だが。
それで倒れてたら元も子もない。自分のできる範囲を把握しろ。無理はするな。できないなら他人を頼れ。」
いつも通りの厳しい声で、いつも通りまっすぐにこちらを見て先生はそう言った。
その瞬間に、この人の期待とやらに応えてみたいと思ったのだ。
バカみたいにそう思ってしまった。
本当に、バカみたい。
そんなこと絶対に無理なのに。
「はい、気を付けます。」
「ああ、そうしてくれ。
それから、結果はまだ他の教師にはいってないがあれならほぼ通るだろう。だから使えるものは、足りないものはちゃんと言え。利用しろ。」
「はい。」
寮まで送ってもらって、それからすぐに相澤先生はどこかへ行ってしまった。
私は部屋に戻って、きっちり三日寝て過ごすことになった。
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猫(プロフ) - 凄く面白いです！！更新されるたびワクワクしていました(*´ ꒳ `*) (2022年1月23日 0時) (
レス) @page14 id: 159bb94574 (このIDを非表示/違反報告)
hgf、jhさいこうでs - 最高です‼️何回も読み直しています！続きが楽しみです。。。ああ、早く夢主ちゃんを救って欲しい。。。 (2022年1月21日 20時) (レス) @page13 id: 9afd2abc65 (このIDを非表示/違反報告)
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