九話。 ページ10
Aside
「凄い機転だな！将来はうちの事務所にどうかい？」
「興味ないです。」
そんな誘いを適当に断りながら、助けに走った男の子のほうは怒られていた。なんでなんだろう、と思いながらもこの世界は図とこんなもんだったなあ、なんて感じた。
やっと説教から解放された男の子は私を見ると駆け寄ってきた。
「助けてくれて…ありがとう！僕、無個性なのにでしゃばって君の邪魔になったよね。ただでさえ何も持ってないのに…本当にごめん。」
「なんで謝るの？」
純粋に疑問に思ってそう聞いた。
無個性の何がいけないのか。私の弟はそうだけれどあんな親の個性を引き継ぐよりはずっといいと思っている。無個性だからこそ助かることだってたくさんあるのに。
「なんで、って。
だって僕は飛び出して、なにも出来ないのに。」
「それは私も同じだよ。ヒーローに腹が立っただけ。
私は、君のほうがヒーローらしかったと思うよ。」
柄にもなくそう言った。
別にヒーローがいるなんて考えていない。存在なんてしているかと言われるといないと答えるだろう。意味もなくそんなことを言った。別にこの男の子に興味があっただけでもない。
ただ、そう口をついただけだった。
「…ありがとう。」
そう、あんまりにも嬉しそうに言われて。
ごまかすようにすぐに帰路についた。
もう夕暮れ時で、少し遅れると連絡を入れてゆっくり帰ることにした。
歩いていると、また、会った。
「やあ！さっきぶりだね！」
「…なんですか。」
何にも知らずにオールマイトはそういった。
それが嫌だった。
何も知らない癖に。何も気づかなかったくせに。
何が、平和の象徴だ。
「かの英雄たちは…こういった。考えるよりも先に体が動いた、と。
君もそうだったんだろう？」
「…それがなんだっていうんですか。」
損なのでお金がもらえるのか。あの子を救えるのか。
それで何かこの現実が変えられるのか。
何も興味はないのに。
「君もヒーローになれるよ。」
そんな言葉で人を救ったつもりなのか。
人を救えると思っているのか。無理だろ。
勝手に言葉だけを残したオールマイトはいつの間にか消えていった。
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とまと - 4話のアイスの話，買ってが勝手になってるような？私の間違いでしたら申し訳ありません🙇♀️ とっても面白いです！ありがとうございます！ (8月7日 12時) (
レス) @page5 id: 3865ce0038 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - ここで終わりなんですか!?!?やばいちょー気になるんですけど!? (5月11日 19時) (レス) id: a3782054c4 (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - 夏みかんさん» 教えていただきありがとうございます…！現在運営様に問い合わせているところです。結果のほどは少々お待ちください。 (2022年10月24日 8時) (レス) id: 6614ae932f (このIDを非表示/違反報告)
夏みかん(プロフ) - いつも更新を楽しみにしています。削除された作品ですがこちら https://uranai.nosv.org/revive.php からや問い合わせなどで復元できないでしょうか？ (2022年10月24日 1時) (レス) id: 3fe706e418 (このIDを非表示/違反報告)
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