四十六話。 ページ47
相澤side
「…なんで、助けてくれたんですか？」
思い当たる節、というのは脳無から無理やり引き剥がしたときのことしかなかった。
眼の前にいる生徒…山岸はどこか、危うさを感じる生徒だった。個性を使わずに、ヒーローになると宣った。そしてそれが恐らく出来るような才能を持ち合わせている。
いつか、その決断に彼女は殺される。
それがなんとなく俺も校長も分かっていたから、何としてでも個性がいざとなったら使えるように、という話は進めていた。
ヒーローの素質なんて、中々あるようなものじゃない。そのほとんどを山岸は持っていながらもヒーローというものを嫌っている。おそらく、過去になにかあったんだろう。聞き出すには至っていないが、それでも…なんとなく、分かるものだ。
人は理由なく人を嫌いにはならない。
山岸の問にはそういった、彼女の人生というか、生きた経験上とか、そんなものが詰め込まれていた。
…お前は、お前には、助けは来なかったのか。
本当に純粋な疑問で、そう問われて。すぐに答えが出せなかった。あまりにも自分の中では当然のことだったから。
「…理由なんてない。あの場に誰がいてもそうしてた。」
山岸ではなくても、少なくともヒーローでなかったら、自分はその選択を選んだ。それが教師であり、ヒーローだ。
揺れる瞳に、無意識のうちに握りしめているのか白くなる手に、やっと山岸という生徒の片鱗がみえた気がした。
珍しく口を閉ざす山田にそのまま黙ってればいいのに、とかなんとか思いながら、できるだけ言葉がちゃんと伝わるようにゆっくりと、続けた。
「校長から聞いたよ。助けてくれてありがとうな。
…お前は、ヒーローになれるよ。」
頭を撫でられなれていないのか、撫でると少し固まった。
相澤の言葉に山岸は、泣きそうな顔をした。
すこしして、震える声で告げられた言葉は何よりも彼女らしい言葉であった。
「…ありがとう、ございます。」
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とまと - 4話のアイスの話，買ってが勝手になってるような？私の間違いでしたら申し訳ありません🙇♀️ とっても面白いです！ありがとうございます！ (8月7日 12時) (
レス) @page5 id: 3865ce0038 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - ここで終わりなんですか!?!?やばいちょー気になるんですけど!? (5月11日 19時) (レス) id: a3782054c4 (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - 夏みかんさん» 教えていただきありがとうございます…！現在運営様に問い合わせているところです。結果のほどは少々お待ちください。 (2022年10月24日 8時) (レス) id: 6614ae932f (このIDを非表示/違反報告)
夏みかん(プロフ) - いつも更新を楽しみにしています。削除された作品ですがこちら https://uranai.nosv.org/revive.php からや問い合わせなどで復元できないでしょうか？ (2022年10月24日 1時) (レス) id: 3fe706e418 (このIDを非表示/違反報告)
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