三話。 ページ4
Aside
真っ暗い部屋で一人で目が覚めた。
隣にすでに死柄木はいなくて、きっといつも通りに目覚めたらどこかに行ってしまったんだろう。別に何の感慨もなく服を着て、それからいつも通りに部屋を出た。
黒霧はいつも通りにバーで静かにコップを拭いていた。
そんな状況にもすっかり慣れて別に何とも思わなかった。
「…病院に行ってくるわ。夕方には戻る。」
そう一言だけ伝えて、バーを出た。
少ないお金をはたいて、電車に乗った。
おいしそうなケーキ屋さんを見て、ほんの少しのうらやましさを感じた。
そんなもの、随分と昔に捨てたのにな。そう思いながら適当に目をそらした。この場にいる誰も私のことには見向きをしない。そうであるのが正しいのにな。
こんな世界嫌いだと唾を吐きたくなった。
それから電車を降りて、コンビニでチョコレートのアイスを買った。これを買うのは初めてだ。この間、少し前のクリスマス会でチョコのケーキがおいしかったと言っていたから。もう四月になるけれど、大丈夫かな。遅いかな。喜ぶかな。
そんなことを考えながら桜の咲く病院への道を歩いた。
「姉ちゃん！」
個室の部屋を開けて、にこにことした笑顔がこちらを向いた。
どことなくうれしくなる。
こんなひどい生活でも、少しは笑えているようで、安心する。
「久しぶり、陽太。元気？何か必要なものはない？」
「大丈夫だよ！姉ちゃんは…怪我とか大丈夫？」
「うん、ほら、知ってるでしょ？すぐに治るし、姉ちゃん強いんだよ？」
そういって笑って見せる。
この子は私の本当の個性も知らない。それでいい。それでこの子の生活とか、心とかいうものに少しでも安寧が訪れればいい。
そうであってほしい。
そう思って、また心からの笑顔で私は笑った。
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とまと - 4話のアイスの話，買ってが勝手になってるような？私の間違いでしたら申し訳ありません🙇♀️ とっても面白いです！ありがとうございます！ (8月7日 12時) (
レス) @page5 id: 3865ce0038 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - ここで終わりなんですか!?!?やばいちょー気になるんですけど!? (5月11日 19時) (レス) id: a3782054c4 (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - 夏みかんさん» 教えていただきありがとうございます…！現在運営様に問い合わせているところです。結果のほどは少々お待ちください。 (2022年10月24日 8時) (レス) id: 6614ae932f (このIDを非表示/違反報告)
夏みかん(プロフ) - いつも更新を楽しみにしています。削除された作品ですがこちら https://uranai.nosv.org/revive.php からや問い合わせなどで復元できないでしょうか？ (2022年10月24日 1時) (レス) id: 3fe706e418 (このIDを非表示/違反報告)
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