三百四十五話。 ページ47
相澤side
「…青山が内通者！？」
「HEY！声がデケェぞ！！」
マイクにだけはそう言われたくない。
だが、驚くのも無理ない話ではないだろう。内通者の件はAで終わったと思っていた。
まさかうちのクラスに二人もいたとは。
「本人はなんと言っているんだ？」
「USJの手引諸々全部やったって白状したぜ。
Aがやったことじゃなかったってわけだ。これから警察含めの面談がある。そこと繋げるからな。」
「ああ、わかった。」
マイクはそういって、パソコンをその場に持っていった。怪我の影響でまだ思うようには動けない。
だからもっぱらこのような感じで画面を通して会うことがほとんどになった。生徒とも、そんな感じになっていた。ちゃんと見てやれていると思っていたんだが。
うぬぼれのようだった。
「彼女には、僕がそうであることは見破られていたのさ。」
話し合いのさなか、青山がそう零した。
Aは気づいていた。青山が内通者であることを。周囲が息を呑んでいる気配がする。
「ある日、呼び出されて僕を見抜いたうえで彼女もまた同じ内通者だと語った。
だけど僕と彼女は決定的に違った。彼女は、オール・フォー・ワンを挫くために敵連合を倒すために行動すると言ったのさ。
そのために、僕のことも誰にも言わない、と約束した。」
「…Aが！？」
「そんなことをいったの！？」
もし、もしもそうなら。
Aが敵を倒すためにやっていたことなら。ふと、急に辻褄が合う気がした。本当に根っからの敵であるなら、Aの個性ならもっと最悪のタイミングがあった。
Aが弟のためにしていたとしても、敵がいるという状況をAがのぞんでいないとすれば。陽太くんの安全を心から望むとするなら。敵のようなヒーローを殺すという信念がなく、こころから陽太くんのためだけを望むのなら。
Aは。
「…これは…もしかしたら、状況が変わるかもしれないな。
エルが敵でない、となるなら。彼女の力を借りることができるのなら。」
「でもあいつ今答えないんだろ！？」
「…っ、私会いに行きます！」
「俺だって！こんなこと聞いて黙ってられるかよ！！」
A。
お前は、何になりたかったのか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 527人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「ヒロアカ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (11月10日 19時) (
レス) id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - 紅さん» 読んでいただきありがとうございます！これからも宜しくお願いします！ (8月1日 18時) (レス) id: 6614ae932f (このIDを非表示/違反報告)
紅(プロフ) - 表現が全部現実的でリアルで感情移入してしまうほどに全部リアルで１つの感情に色んな思いが込められているのが伝わるような物語で夢中になって読んでいました！これからの展開がとても楽しみですこれからも応援してます！！ (7月31日 20時) (レス) @page34 id: cae32cbb5a (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - 読んでいただきありがとうございます！優しさを知らない少女全編復活しました…！長らくお待たせいたしましたこれからも宜しくお願いします！ (7月15日 21時) (レス) id: 6614ae932f (このIDを非表示/違反報告)
lokiloki - 更新ありがとうございます!! (7月8日 22時) (レス) @page17 id: 74c5318e0a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
