三百二十九話。 ページ31
爆豪side
無線をずっと、エンデヴァーと繋いでいた。
最前線で戦うエンデヴァーなら、Aの情報が流れ込んでくる確率が高い。すぐに行動ができるように静かにその時を待っていた。
「爆豪くんどしたん？静かやね。」
「うっせぇ。」
「…いつもよりボキャブラリー減っとる。」
麗日はここ最近、一層訓練に打ち込むようになった。
なにかに集中している方がずっと落ち着く。Aはもうそばにはいないから、それを忘れるように。
静かに、前よりもずっと大人になったんだと思う。
Aはずっと前からそうだった。だから諦めた。大人になるということはそういうことだ。
『保護対象がここにいる可能性があり！！ミルコ、発見次第連絡を！！』
保護対象。
そう言えば陽太が、クラストとともに家に帰るということは聞いていた。まさか、敵に知れていたのか。
行かなければ。
「かっちゃん！？」
「どこ行くん！？」
引き止められる声を無視して進む。
すると、引き止めるように次の無線が入った。
『エルと保護対象が地下へ避難！！
地下通路を探り至急救助を！！』
それはミルコだった。
どこ、どこにいる。地下だとすれば。
「かっちゃん、ど、どうしたの！？」
急にとまった俺を見て出久はそう言った。
まずは地下通路を探る。
だけど、どこに。この広い街を闇雲に探したって出会いっこない。地下通路に敵が来る恐れがないのなら、Aが作ったものの可能性が高い。
「…地下通路から地上に出てくるとするなら、何処とつなぐ？」
「へ？」
「避難するために地下に通路を作る。長くて、広いだろ。それを敵に知られないように安全な場所に出るにはどこに繋いで出てくるもんだ？」
突拍子もない問に出久はかなり真剣に考え始めた。
こういうことはこいつのほうが速い。急く気持ちを抑えて、考える。今度こそ、間に合うために。
「…僕なら、マンホール。
そこなら何処にでもつながる。歩いて、歩いて、危険な場所を避けることが出来る。
地上に限りなく近いから、外の様子も伺い知れる。
もっと敵の裏をかくなら、下水道とつなぐ。」
「…そうか。」
先程頭に叩き込んだ地図を思い描く。
マンホールは流石に記憶していない。回っていくしかない。
それでも、行かなければならない。
俺だけが知る。俺だけが知っている。
昔からそれだけだった。
「かっちゃん！！」
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (11月10日 19時) (
レス) id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - 紅さん» 読んでいただきありがとうございます！これからも宜しくお願いします！ (8月1日 18時) (レス) id: 6614ae932f (このIDを非表示/違反報告)
紅(プロフ) - 表現が全部現実的でリアルで感情移入してしまうほどに全部リアルで１つの感情に色んな思いが込められているのが伝わるような物語で夢中になって読んでいました！これからの展開がとても楽しみですこれからも応援してます！！ (7月31日 20時) (レス) @page34 id: cae32cbb5a (このIDを非表示/違反報告)
ミナミ(プロフ) - 読んでいただきありがとうございます！優しさを知らない少女全編復活しました…！長らくお待たせいたしましたこれからも宜しくお願いします！ (7月15日 21時) (レス) id: 6614ae932f (このIDを非表示/違反報告)
lokiloki - 更新ありがとうございます!! (7月8日 22時) (レス) @page17 id: 74c5318e0a (このIDを非表示/違反報告)
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