四十八話 ページ50
Aside
治癒をしてもらい、家に帰ることになった。
と言っても、バイトにいかなければ。勿論、接客とかはできない。
今日キャンセルしたら、バイト代が減って学校まで行くお金が稼げなくなる。
だから、行かないと。
相「足は体力の都合上、明日治癒すると言うことで今日は処置だけだと言っていたが……。
一人で大丈夫か？
なんなら、親御さんを呼んだ方がいいんじゃあないか？」
相澤先生はそういってくださった。
でも、母さんは呼んでも来ないだろう。兄さんの怪我で、とかなら飛んでくるだろうけれどあたしの怪我だし、理由つけて来ないだろう。
緑「大丈夫です。
大分楽になりましたし。」
相「…それだけが理由か？」
目敏く、嘘を見破った。
心の何処かでそれを喜んでいると思うのはどうしてなのだろうか。
微かに、嬉しいと思っている。
こんな人、今までいなかった。
本当は頼りたい。何もかも捨てて、もう嫌だと叫びたい。
それでも、どうせ、先生もいつかはどうでもよくなるものだ。いつか、忘れられる。
今じゃないだけだ。
あたしが我慢すればいいこと。あたしごときどうなろうと誰も、哀しまない。
それを、あたしはよく理解している。
だから、あたしは一人だから、頼ってはいけないんだ。あたしはいけない子だから。
あたしは空気だから。
母さんにすら愛されない。
ああ、誰か……誰か、あたしを……。
その先の言葉は何があっても言ってはならないことも知っている。
緑「……母さんには、兄さんがいればいいんですよ。
昔からそうでしたから。
最初の一声はいつも、出久、出久で。あたし、慣れてるんで。
先生、ありがとうございました。」
相「……気を付けて帰れよ。」
そう言うと、そっと頭を撫でられた。
もう、大分慣れたのに……先生なのに、微かに手が震えた。
殴られた手が、振り上げられた足、使われた個性。全てを生々しく思い出す。
緑「…ッ！！」
相「…嫌なら、しない。
トラウマは中々消えない。でも、覚えておけ。俺は、しない。」
そう言われて、その言葉が嬉しくて。
安心感を得て。
あたしはバイト先に向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1111人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「ヒロアカ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミナミ(プロフ) - 読んでくださり、ありがとうございます！変更してみました！後の作品でもそう言うものがあればご指摘ください。ご意見ありがとうございました！ (2020年2月16日 23時) (
レス) id: 4b9f084e7b (このIDを非表示/違反報告)
名無しのゴンベ - あ、アンチではなく、意見です。 (2020年2月9日 15時) (レス) id: fb6f8dff1d (このIDを非表示/違反報告)
名無しのゴンベ - こちらをご覧ください。 (2020年2月9日 15時) (レス) id: fb6f8dff1d (このIDを非表示/違反報告)
名無しのゴンベ - http://www.sousakuchannel.com/archives/12204492.html (2020年2月9日 15時) (レス) id: fb6f8dff1d (このIDを非表示/違反報告)
名無しのゴンベ - 内容はとても面白いです！ですが、とても読みづらいです。何でもかんでも漢字にすればいいと言うわけではありません。もう少し読みやすくしていただきたいです。 (2020年2月9日 15時) (レス) id: fb6f8dff1d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
