三十一話 ページ33
相澤side
USJから一週間が経ったが、まだAは目を覚ます気配すら見せなかった。
もう完治はしているものの、彼女の精神的なる問題なのだと校長はいい、無理に起こすことはないと言った。
あの日、体力テストを行ったあの日。
人が怖いと言ったのは恐らく本心だ。あの時一瞬、彼奴は本心を言っていた。
あいつを救うには随分と時間がかかるだろう。少なくとも、あいつが人と関わりたいと思うようになるまでは難しい。
相「…早く起きろよ。
少なくとも、俺とあいつらはお前を待ってるからな。」
あいつの病室に幾度、起きていることを願い、切望し、また、考え直す。
そんなわけがないと。連絡もないのに。
完璧人間の爆豪が小テストのミスが増えた。緑谷が挙動不審になった。
少しだけだが、確かに変化はあった。お前は、いらない人間じゃあない。
バケモノでもない。
只の子供だ。
お前が思っている以上にこの世界は案外、悪くない。
すると、微かだがAの指が動いた気がした。否、確かに動いた。
身動ぎをし、起き上がろうとしているのか、ゆっくりと目が開いて、暫く焦点が会わない様子だったがこっちをしっかりと見た。
緑「…相澤………先生？
ここ…は、どこ？」
相「何日寝坊したと思ってんだお前。
……気がついて良かったよ、A。もう、身体は大丈夫なのか？」
緑「はい、でも…先生も酷く無いですか？」
相「…俺は歩けるからいいんだ。
もうすぐ体育祭がある。いい活躍を期待してるからな。しっかり体力を元通りにして鍛えとくんだぞ。」
そう言い、そっと頭に触れると今度は嫌がることはしなかった。
そっと目を細めこちらを見ている。
相「ちゃんと守れなくてすまなかった。
ここまでの怪我をお前に負わせてしまった。首にも痕が残るらしいし……」
緑「…気にしないでください。
だって、先生はちゃんと守ってくれてましたから。だから、あたしは生きてる。
先生は、あたしのヒーローです。」
今まで笑うことがなかったAが一瞬、微笑んだように見えた。
相「ありがとね。
ヒーロー冥利に尽きるよ。」
こいつはまだ心を完全には開いてはいない。でも、いつかその日が来ることを願っていよう。
いつかきっと。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1109人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「ヒロアカ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミナミ(プロフ) - 読んでくださり、ありがとうございます！変更してみました！後の作品でもそう言うものがあればご指摘ください。ご意見ありがとうございました！ (2020年2月16日 23時) (
レス) id: 4b9f084e7b (このIDを非表示/違反報告)
名無しのゴンベ - あ、アンチではなく、意見です。 (2020年2月9日 15時) (レス) id: fb6f8dff1d (このIDを非表示/違反報告)
名無しのゴンベ - こちらをご覧ください。 (2020年2月9日 15時) (レス) id: fb6f8dff1d (このIDを非表示/違反報告)
名無しのゴンベ - http://www.sousakuchannel.com/archives/12204492.html (2020年2月9日 15時) (レス) id: fb6f8dff1d (このIDを非表示/違反報告)
名無しのゴンベ - 内容はとても面白いです！ですが、とても読みづらいです。何でもかんでも漢字にすればいいと言うわけではありません。もう少し読みやすくしていただきたいです。 (2020年2月9日 15時) (レス) id: fb6f8dff1d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
