二十三話。 ページ24
マルコside
それがあいつが頑なに家族になろうとしない理由。思い出すのだろうか。
いや、それよりも嫌なのだろう。
すべてを失って、たった一人で生きることを決めて。嫌悪感は感じられなかった。
理由があるのだろうとは思っていた。
でも、明らかな拒絶がなかったのは何故なのか。
「…私、驚きました。
彼女は誰とももう交わらずに生きていくものだと思っていたから、成り行きであってもこの船に乗っていることが。
彼女も少なからずあなた方に気を許し始めているんだと思います。
彼女は強いです。
本当に、強い人です。
璃太にあんなことを叫ばれて、弟を己の手で殺して…辛くないはずがないのに涙一つ溢しませんでした。
彼女に帰る場所を渡してほしいんです。」
「……グラララ…そうかぁ……。
そんなこと、もう決めてる…だろ?」
「ああ!
俺たちみんな、二週間ずっと勧誘してるもんな!諦めねぇって!」
「助けてもらってばかりですから!」
ユアやエースはそう言って、他のやつらも答えた。俺もだ。
あいつにこの船にいてほしいし、そうなったら絶対にいい。うまくは言えねぇが、そうなってほしいんだ。
諦めは悪いんだから。
「…俺、その事も知らずに……。」
「…炭治郎、それは仕方ない。
本来柱となり本格的にあの方と関わるようになって初めて悲鳴嶼さんから語られる話だ。
柱は関わりができる。
俺も話すことは…が。」
「…俺も細かいことは初めて聞いたんだよ炭治郎。
ただ、氷柱さんは音が優しかったから理由があるんだろうって思ってて。」
「ハッハー!
俺は最初から分かってたからな!!」
「…大丈夫です。
きっと、許してもらえますよ。
治療しましょう。すみませんが器材を貸して貰えますか?この島で調達する予定だったのですが足りそうにないですし。
恐らく、Aも…もう戻ってきます。」
「…速くないかい?」
「彼女は音、見る景色で戦いの度に学習します。どう動いているのかを学ぶんです。
さっきの鬼は稀に見る速さでしたから。
恐らくもうすぐ戻ってきます。鬼殺隊の階級の中でも柱でその中でも最強と呼ばれる所以はそこなんですよ。」
「あいつなんか気配違うよな!!」
「失礼だぞ伊之助!!」
「お前もわかってるだろ!?
間違いねぇよ、玉ジャリジャリおやじよりずっと強ぇ!!
鬼殺隊最強だろ、あいつ!!
戦いてぇ!!」
その時、空気が一瞬にして冷えた。
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シンヤ(プロフ) - 続きとても楽しみにしています (2022年11月9日 10時) (レス) @page28 id: 42d6be6a70 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - 面白いです!続き楽しみに待ってます! (2020年11月28日 23時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
白狐(プロフ) - 続き楽しみです! (2020年11月12日 8時) (レス) id: 5b21830898 (このIDを非表示/違反報告)
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