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十六話。 ページ17

Aside

 

しばらく部屋で寝っ転がっていると、誰かがこちらに近寄ってくる音がした。

最初はナースさんの部屋かと思ったけどこちらの部屋に用があるのか部屋の前まで来た。
ノックする音も聞こえた。

取り敢えずベッドからおりてドアまで向かうとそのまま開けた。

部屋の前にいたのは先程庇ったナースさんだった。

 
「どうかした?」

 
「…い、いえっ……。
怪我をしたとマルコ隊長から聞いて……大丈夫ですか!?」

 
いきなり勢いよく聞かれて驚いた。

気になっていたのか、心配させたのか妙に心臓の音がドクドク鳴って耳栓をしているのに聞こえてくる。

緊張がこちらにまで伝わってきそうだ。

 
「怪我は大丈夫だよ。
そんなに酷くないし。鬼を狩る生活をしていたらこういう怪我は日常茶飯事だし。

気にすることはない。」

 
「気にします!
すみませんでした。私が動かなければきっとあんな男倒せたのに……。

…助けてくださって、ありがとうございます。

庇ってもらわなければきっと私は死んでいました。戦わないナースでもそれぐらいはわかります。

Aさん、本当にかっこよかったです。」

 
そうやって誉められることはなかったので少しばかり照れてきた。

優しい音を鳴らす目の前のナースさんはニッコリ笑っていてナースの服がよく似合っていた。愛らしい女の人とはこういう人のことを言うのだろう。

 
「…いや、こちらが勝手にしたことだから。
そこまで気を使う必要はない。

怪我がないようでよかったよ。」

 
「…私、Aさんと家族になりたいです。
皆そう思ってますよ、Aさん。

あなたは優しい人です。

家族に、どうしてもなれませんか?」

 
「……ならないよ。
後、二週間よろしくね。」

 
「…分かりました。
私の名前はユアです。私、あなたが家族になりたいと思えるようにがんばります!

二週間もあるんですもの、きっとなってもらいますから!」

 
諦めさせるつもりで吐いた言葉は逆効果だったようで。

ユアは笑ってそういった。

無駄だよ。

私は家族など必要ない。要らないんだ。
そんなものあって何になる?

無意味じゃないか。

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シンヤ(プロフ) - 続きとても楽しみにしています (2022年11月9日 10時) (レス) @page28 id: 42d6be6a70 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - 面白いです!続き楽しみに待ってます! (2020年11月28日 23時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
白狐(プロフ) - 続き楽しみです! (2020年11月12日 8時) (レス) id: 5b21830898 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白亜 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年9月26日 11時

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