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十四話。 ページ15

Aside

 

「…ならないって言ってるのに?」

 
「そうだとしてもだよい。
そう言うやつがいても悪くはねぇだろい。」

 
別に要らないんだけど。

そう思いながらも医務室に連れていかれた。そう言えばマルコは船医でもあるんだっけ。

自分で抜くのになぁ。

 
「…大丈夫だよ。
自分で弾はとれるし。」

 
「ダメだよい。
どうして怪我をしたんだよい。さっきの様子を見てたらそんなへまを踏むようなやつじゃないだろうよい。」

 
「…へましたの。」

 
そう言いながら抜けられる痛みに耐えていた。かなり痛いな。

顔をしかめていると、不思議そうな顔で見られた。

 
「…何?」

 
「…いや、お前も表情筋が存在してたんだねい……。いつも動いてないから。」

 
「顔ぐらい動くよ。
痛いし。」

 
「普通はこれ泣き叫ぶぞい。

なぁ、本当に家族にならねぇのかい。」

 
「ならないって何回私は言えばいいの?」

 
「…嫌なら別に無理にとは言わねぇよい。
でも、お前は海賊が嫌いなわけでもねぇだろい。

お前がうちに入らないのには別の理由があるんだろ。」

 
そう言われて少し驚いた。

海賊が嫌なわけではない。確かにそうだ。
私が嫌なのは家族と言うものだ。そういった馴れ合い全般が嫌いで嫌だ。

 
「包帯巻かなきゃなんねぇんだが…自分で巻けるような位置じゃねぇな。」

 
「…何を気にしているの?」

 
そう聞くとため息をつかれた。

解せぬ。いや、ため息要素どこにあるんだ。わたし何かした?変なこと言った?

 
「お前、女だろ……。
呆れるよい。」

 
「あ、脱がなきゃダメなの?」

 
「そんな明け透けに言うなよい……。
ナースを呼ぶから…。」

 
「別に包帯巻かなくていいよ。
ガーゼで十分。自分で止血できるの。呼吸って言うもので止められる。

それに、あまり見せたくないから。」

 
そう言うと考え込むような顔をされた。

医者として悩むのだろうか。
最終的にはこちらに任せてくれるのかガーゼを出して持ってきていた。

 
「別に追求はしねぇが…腹の方は内蔵を掠ってるからねい。
異常があればすぐに言えよい。それが条件だよい。

食事は今日はサッチにいって消化にいいものでも作らせるよい。それから後は…じっとしてろよい。」

 
「…何それ。」

 
お腹の方を青い炎に当てられた。

でも、熱くはなくて少しくすぐったい。傷が塞がっていく感覚がした。

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シンヤ(プロフ) - 続きとても楽しみにしています (2022年11月9日 10時) (レス) @page28 id: 42d6be6a70 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - 面白いです!続き楽しみに待ってます! (2020年11月28日 23時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
白狐(プロフ) - 続き楽しみです! (2020年11月12日 8時) (レス) id: 5b21830898 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白亜 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年9月26日 11時

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