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医師「Aちゃん、今何歳と、学年分かる？」
A「17歳の高校3年」
医師「じゃあ、お兄さんの名前分かる？」
A「うち、お兄ちゃんなんかいないよ？」
医師「あ、そかそか！ごめんね。なら、幼なじみの子の名前分かる？」
A「稲田直樹！」
医師「じゃあ、今の担任の先生の名前分かる？」
A「えっ。誰だっけ？ほんとに分からない」
Aside。
それから数日後のある日のこと、携帯をいじくっていて、写真フォルダを開いた。そこには、家族で撮った写真。お兄ちゃんと撮った写真、稲ちゃんと撮った写真、そして、最も写真の数が多い賢志郎。
A「やっぱりそうだよ！この写真、」
コンコンコン。
A「はーい」
川西「A、体調の方どう？」
A「今のことろは全然元気です！」
川西「なら良かった！」
この人は、ママよりも、隣の病室にいる稲ちゃんよりも、私の病室にしょっちゅう来る。でも、めちゃくちゃ優しくて、カッコイイ。きっと前に絶対関わりがあったはず。
でも、誰だっけ･･･。もうちょっとで思い出せそうなのに。
目が開いた時、隣にいたよね？ってことは、、、。
写真のフォルダいっぱいいたよね？ほら、一緒だ！
A「あの！！」
川西「ん？」
A「私たぶん、貴方のこと、1番思い出さなきゃならない人なんだと思います！今まで思い出せずごめんなさい！」
川西「そんな、謝らんで？！」
A「思い出せるまで待って頂けますか？もうちょっとで思い出せそうなのに、出てこなくて泣」
川西「大丈夫、俺はいつでもそばにおるから、Aのタイミングで思い出して？」
A「はい、優しいですね！」
川西「Aだけはな。笑」
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作成日時：2021年6月7日 22時
