【番外編】０５ ページ50
ここ数週間の出来事をすべてAに話した。
「なにもしてくれなくていい。ただ、俺の隣に居てくれるだけでいい。必要ないというなよ…」
ふらっとAがどこかに行きそうな気がして抱きしめる腕に力が入る。
やっと背中に回った手に安心し、あいた溝を埋めるようにAを求めた。
＿＿＿
そこからは普通のカップルと変わらない日常を過ごした。
傍から見れば仲のいいカップル。
だけど互いに違和感を感じていたのは事実だ。
それは俺とAにしか分からないものだと思う。
どっちが先に“さよなら”を切り出すか。
俺らは、そう考えるようになっていたのかもしれない。
＿＿＿
そしてその時は、突然やってくる。
Aと喧嘩して会わなくなった数日後、
美紀さんから見せられたのは、Aと藤浪の熱愛記事。
そこに載ってる写真を見ても不思議と何も思わなかった。
『…わたしは翔平だけだもん』
かわりにあの晩、そう呟いたAの顔が浮かんだ。
美「わたしならこんなことしない。どこにも行かない。ずっと翔平くんのそばに居るし、翔平くんだけ想い続ける。好きなのっ。翔平くんのことが‥‥」
薄々気づいてた。だけど‥‥
「俺さ、Aがいると強くなれるんだよね。あいつは俺にとって大事な人、誰も代わりになれない。俺は強くなってAと一緒に夢を追いかけたい。離したくねぇんだよ。‥‥馬鹿みたいにあいつのこと好きなんだよね(笑)」
美「‥‥最初からわたしが入る隙なんてなかったんだね。Aさん、あなたと全く同じこと言ってた。‥‥辛いはずなのに、わたしに頭下げて。翔平のことよろしくお願いしますって‥‥泣きながら言ってたわ。‥‥絶対その手、離しちゃだめだよ」
ありがとう。
そう告げ、その場を後にした。
＿＿＿
美紀さんに頭を下げたAの行動が気になって
サマンサに連絡した。
最初ははぐらかされたけど、問い詰めると週刊誌の件を話してくれた。
Aはやっぱり馬鹿だ。昔から俺のためなら自分を犠牲にするところは何も変わってない。
でもそのAの選択が、あいつの気持ちを表している気がした。
＿＿＿
家にいると案の定、Aがきた。
いざAを前にすると言い出せなくなった。
だけど、君が望むなら‥‥
別れよう＿＿＿
胸の奥に隠し続けた言葉を告げた。
例え今、この手を放してしまったとしても
必ずまたその手を捕まえに行くから。
そう心に誓って。
＿＿＿
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まち(プロフ) - 切なすぎます。更新楽しみにしてます (2023年4月8日 23時) (
レス) @page50 id: 6ba1d4a17e (このIDを非表示/違反報告)
るる - こちらのお話が大好きです！次の展開も楽しみにしてます！！ (2023年4月8日 10時) (レス) id: c1f7251b5b (このIDを非表示/違反報告)
chika0811ab(プロフ) - 泣きました。素敵なお話し本当にありがとうございます。続編気長に待ち続けます。 (2023年4月7日 23時) (レス) @page45 id: 43f90433e5 (このIDを非表示/違反報告)
若葉(プロフ) - 高校卒業のときに渡した花束より本数も増えて込められた気持ちも強くなってより泣けました😢 世間の目や彼を思った夢主の行動がかっこよすぎる…✨続編も楽しみにしてます！ (2023年4月7日 22時) (レス) id: 0d70f41477 (このIDを非表示/違反報告)
ぴんく(プロフ) - 番外編も最高すぎです😭続編気長に楽しみにしてます！ (2023年4月7日 21時) (レス) @page50 id: a93e51db73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菜々
| 作成日時：2023年3月28日 17時
