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＿９月２日
その後も手術のことは翔平から告げられることはなかった。
特にこちらから触れることもなくそのまま前の試合から1か月経とうとしていた。
今日は、久しぶりに翔平が先発で登板することが決まっていた。
事務所でツアーに向けて作業していたわたしに、サミーが気を利かせて、
試合観れるように時間を空けてくれたが、観に行く気になれず、、、
結局この日は、遅くまで事務所で作業をし、
日付が変わった頃に自宅に着いた。
玄関のカギを開けると見慣れた運動靴が。
『‥‥翔平』
翔「あ、おかえり。遅かったね」
『来るなら連絡してくれたらよかったのに、、、ごめん、事務所で作業してた』
翔「大丈夫、勝手に来ただけだから」
ソファから立ち上がり、わたしの手を力強く引き抱きしめる。
翔「A‥‥」
『‥‥なぁに？？』
翔「‥ううん。なんでもない」
『そっか』
不思議な空気が二人を包んだ。
言わなきゃいけない言葉は互いに分かってた。
だけどわたし達は、その４文字を切り出せずにいた。
＿２日後
翔平の口から手術のことをやっと聞かされたのは、
そこから２日後のことだった。
今日MRI検査を受けた結果、新たな損傷が見つかり、手術は避けられなくなった。
この３か月間は、手術を避けるためありとあらゆる手段を使ったが全く効果はなかった。
わたしには無駄な心配をかけたくなかったと。
『‥‥知ってたよ』
翔「え、なんで」
『手術が必要になるかもしれないってことは、美紀さんから聞いた』
翔「まじか‥‥ごめん」
『美紀さんには言えるのに、わたしには言えないんだね』
翔「それはAに心配かけたくなくて、、」
『そうじゃないじゃん。‥‥わたしは、翔平の彼女だよね？』
翔「そうだよ」
『‥‥じゃあ言ってよ。大丈夫じゃない、辛いって。‥‥そういう翔平の弱みを見れる美紀さんがどれだけ羨ましかったか‥‥』
翔「‥‥‥‥」
『‥私たち、幼なじみなんかやめなきゃよかったね』
感情に任せて放ってしまった言葉ほど
後になってなぜあんなことを言ってしまったのかと後悔するものだ。
翔平がまっすぐわたしの目を見つめる。
その目の感情を読み取ることは今のわたしにはできなかった。
翔「‥‥なにそれ」
『‥‥‥』
翔「今日は一緒にいない方がいいね」
そう言って部屋を出て行った。
これが最初で最後の喧嘩だった＿＿
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まち(プロフ) - 切なすぎます。更新楽しみにしてます (2023年4月8日 23時) (
レス) @page50 id: 6ba1d4a17e (このIDを非表示/違反報告)
るる - こちらのお話が大好きです！次の展開も楽しみにしてます！！ (2023年4月8日 10時) (レス) id: c1f7251b5b (このIDを非表示/違反報告)
chika0811ab(プロフ) - 泣きました。素敵なお話し本当にありがとうございます。続編気長に待ち続けます。 (2023年4月7日 23時) (レス) @page45 id: 43f90433e5 (このIDを非表示/違反報告)
若葉(プロフ) - 高校卒業のときに渡した花束より本数も増えて込められた気持ちも強くなってより泣けました😢 世間の目や彼を思った夢主の行動がかっこよすぎる…✨続編も楽しみにしてます！ (2023年4月7日 22時) (レス) id: 0d70f41477 (このIDを非表示/違反報告)
ぴんく(プロフ) - 番外編も最高すぎです😭続編気長に楽しみにしてます！ (2023年4月7日 21時) (レス) @page50 id: a93e51db73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菜々
| 作成日時：2023年3月28日 17時
