本当の話 ページ43
胡蝶の話は、私を驚かせた。
そして、私を安心させてくれた。
でも同時に、自分が凄く情けなかった。
なんで、私はこの人達を信じられなかったんだろう。
「胡蝶は、明菜が最初から何か企んでいると思っていたんだな。」
「はい、ですが何が目的かを知るために甘んじて受け入れました。」
確かに、その方が良いだろうな。
あの時の私は冷静ではなかった。
私は頑なに「明菜は危険」と言い張って、後のことなど考える余裕もなかった。
私は、馬鹿だったな…
「すまない。私が勝手に行動したせいで……」
「何を言うんですか?貴方にいらない不安を抱かせてしまった私の方こそ…」
二人して謝り合う。
そこで私は少し疑問に思っていたことを口にする。
「…なぜ、私にそのことを言ってくれなかったんだ?」
正直、これを聞くには勇気が必要だった。
何を言われるのか、怖かった。
「良かれと思って言わなかったんです。
貴方に余計な負担をかけたくなかった…
でも、逆効果でしたね。」
「………………、」
そう、だったのか。
私を配慮しての行動で…私がそれをよく考えずに勘違いしたんだ。
よく考えてみればよかったじゃないか。
煉獄や甘露寺ならまだしも、伊黒や胡蝶、悲鳴嶼やお館様までもが明菜をなんの疑いもなく受け入れる訳がないじゃないか。
結局、私の勘違いが原因……
こんなの、自業自得だ。
「私達は、貴方のことをとても大切に思っています。さっきの今では信じられないかもしれませんが、どうか、信じて下さい。」
嘘をついているときの人間は「この人。嘘ついてる。」って、雰囲気からわかるんだ。
今の胡蝶は、いつもの貼り付けたようなニコニコ顔を消して、私に真摯に接している。
胡蝶は、嘘をついていない。
本能の赴くままにしたら、私は胡蝶を信じるだろう。
でも、あと少しのところで、ひねくれた理性に止められる。
ーー本当に信じていいのか?
私を真っ直ぐ見つめる胡蝶の瞳。
「………分かった。」
胡蝶は嘘をついていない。
それに、柱達が全員私を大切に思っているって、嬉しいことじゃないか。
私は胡蝶を、信じたい。
だから、信じる。
「よかった。ありがとうございます。」
そう言って微笑む胡蝶は心の底から安心したようだった。
胡蝶の微笑みに釣られ、私も気が抜けたのか頬が緩む。
するとそれを見た胡蝶が、
「貴方の笑顔を一人じめにしたなんて知られたら、怒られてしまいますね。」
と、いたずらっぽく笑った。
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絵理奈(プロフ) - 明菜が夢主に罪を負わせますね、刀キャーとか嫌がらせされたとか身体が痣だらけだとか。 (2020年2月3日 18時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
ちーかま(プロフ) - 和美さん» ありがとうございます。めちゃくちゃ元気でました!!更新頑張ります! (2020年1月8日 21時) (レス) id: b10489591d (このIDを非表示/違反報告)
和美(プロフ) - 最高の作品ありがとうございます!夢主ちゃんが早く幸せになって欲しい…大好きです!(((殴 更新頑張ってください! (2020年1月8日 11時) (レス) id: 02d0844636 (このIDを非表示/違反報告)
ちーかま(プロフ) - www(アメーババババ)さん» わぁ!ありがとうございます!更新頑張ります( ー`дー´)キリッ! (2019年12月1日 19時) (レス) id: b10489591d (このIDを非表示/違反報告)
www(アメーババババ)(プロフ) - 好きです!(唐突)更新頑張ってください!! (2019年12月1日 17時) (レス) id: 9fbd33347e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちーかま | 作成日時:2019年12月1日 5時