雪柱は愛欠乏症

雪柱、歓迎会 ページ13

音柱の屋敷につくと、恋柱におろしてもらった。

初めて、あんな風に抱っこされた…

なんか、蛇柱がこちらを睨んでいるような。

ん…？なんか、こっち見てプルプル震えている奴が一人…

「ブハッ、甘露寺に運んでもらったのか！」
ゲラゲラと笑い出す音柱。

こいつ…人をおちょくることしかできないのか？

「笑うな、音柱！」

音柱をキッと睨む。


「おー、おー、わりぃな。
　まあ落ち着け。」

一通り笑い終えた音柱がポンポンと私の頭を叩いた。

「た、叩くな…」

音柱の行動は、私が体験したことないもので、少し、驚いた。

…こんなに優しく頭を叩かれたの初めてだ。

「…音柱は、乱暴に見えて、優しいんだ…」

音柱を見上げ、聞く。

「俺が優しい？」

「優しく頭を叩いた。
　あんな風に叩かれたのは初めて。」
　
あと、音柱に叩かれたとき、なぜかまた暖かい気持ちになった。

「そうか…」

音柱が、歯切れ悪く喋る。






「はい！早く屋敷の中へ入りましょうね。」

パン！と手を叩いて蟲柱が先導する。


続いて他の柱たちも、ぞろぞろと屋敷の中へ入る。

「ああ、悪いな、胡蝶。」

そう言って、音柱も入って行く。

私もそれに続く。


屋敷の中に入ると、たくさんの料理が並ぶ広間へと案内された。

「おら、全部俺の嫁の手作りだ、味わって食べろよ。」

「うむ、承知した！」

音柱の号令で、各々が好きなものを食べ始める。

「Aちゃん！好きなものとかある？」
恋柱が、こちらにやって来た。


「いや、特に…」

食べ物は、あんまり食べないから…
私は、あまりお腹が空かない体質で、食べてもすぐにお腹いっぱいになってしまう。

「あら、そうなの？
　でもこのお料理すごく美味しいわよ！」

そう言いながらもの凄い勢いで食べている恋柱。
あ、あっちでも炎柱が同じように食べている。

「…恋柱と、炎柱って似てる。」

「そうかしら？昔、私は煉獄さんの継子だったのよ！」


喋っている間も恋柱の周りの料理は無くなっていく。


…すごいな。


恋柱を見ていたら、向かいから視線を感じた。
相手を見なくても分かる、この視線は蛇柱だ。

なんでこっち睨んでくるんだ…
あの人目の前の料理にも手を付けてないし、口の包帯もとっていない。

絶対食べる気ないよ。

あ、水柱が蟲柱から嫌がらせされてる…

隣では、恋柱に音柱のお嫁さんが降参してた。

　


賑やかで、いいなあ…



美味しい料理でお腹を満たして、私の歓迎会？は、無事に終わった。

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