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任務終了 ページ18

「どういうことだ。」

いつの間にか、私達は歩くのを止めていた。


「さっき、私は稀血だといったよね。
 私と一緒にいたばかりに、強い鬼に襲われてね、死んだんだその人。
 で、私は生き残った。」


「……そうか。」

蛇柱は、なおも私から目を離さない。

…まだ喋れ、と?


「はぁ…だからさ、私には愛情を与えてくれた人がいたんだよね一応。」

字を教えてくれて、一つ覚える度、我が事のように喜んでいた。

「だが、そいつを失った。
 それで、貴様の心は壊れたか。」

「知るわけない、そんなこと。」

いつ壊れたかなんて、知るわけ無いだろ。
さっきから、好き勝手に私の心が壊れたと言ってくるが、なんなんだ。

本当に…

「行くぞ、A。」


「!。貴様、じゃないね…。同情したの…?」

煽るように言うと、蛇柱に本気で睨まれた。

「同情してほしいのか?」

…本当に嫌な奴。


私達は、再び歩き始めた。



それから、数刻が過ぎ、私達はようやく下弦の弐に遭遇した。


「お前…稀血か…
 しかも柱とは、是非食べたいね。」

そう言って攻撃を仕掛けてきた。


「…止めた方が良いと思うな。
 私を食べるのは。だって私を食べたら、きっと死んじゃうよ?」

「気を抜くな、A。」

どの口が言う…。

血鬼術を使い、昆虫を操る鬼だったが、別段強い訳でもなかった。

蛇柱が鬼に操られ凶暴化した昆虫を薙ぎ払う。

その間に私が下弦の弐との戦いを制す。

『雪の呼吸 弐ノ型 夜叉吹雪』





「…そういえば、下弦の弐ってこの前も倒した。」

塵になっていく現・下弦の弐を見つめながら言う。

「この鬼は埋め合わせか…?」

「さぁ、知らない。」


これで、ようやく任務が終了した。


山を降りて、私達はお館様に報告に向かった。

「蛇柱、私の心は壊れていない。
 ただ、分からないだけ…
 あまり知らないから、喜びも悲しみも驚きも。分かった?」

蛇柱を見て聞くと、


「………伊黒だ。伊黒、小芭内。」


突然、自分の名前を言い出す蛇柱。

「?」

「俺は蛇柱という名前ではない。
 伊黒小芭内だ、そう呼べ。」

伊黒小芭内…

「分かった。伊黒。」




そう言うと、伊黒はほんの少し、目元を緩めたような気がした。

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作品ジャンル:アニメ
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絵理奈(プロフ) - 明菜が夢主に罪を負わせますね、刀キャーとか嫌がらせされたとか身体が痣だらけだとか。 (2020年2月3日 18時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
ちーかま(プロフ) - 和美さん» ありがとうございます。めちゃくちゃ元気でました!!更新頑張ります! (2020年1月8日 21時) (レス) id: b10489591d (このIDを非表示/違反報告)
和美(プロフ) - 最高の作品ありがとうございます!夢主ちゃんが早く幸せになって欲しい…大好きです!(((殴 更新頑張ってください! (2020年1月8日 11時) (レス) id: 02d0844636 (このIDを非表示/違反報告)
ちーかま(プロフ) - www(アメーババババ)さん» わぁ!ありがとうございます!更新頑張ります( ー`дー´)キリッ! (2019年12月1日 19時) (レス) id: b10489591d (このIDを非表示/違反報告)
www(アメーババババ)(プロフ) - 好きです!(唐突)更新頑張ってください!! (2019年12月1日 17時) (レス) id: 9fbd33347e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちーかま | 作成日時:2019年12月1日 5時

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