困り事 ページ9
re「お、2人とも。ようやく来たね」
gt「お久しぶりです、レオンさん!」
re「やぁぐちつぼくん。久しぶりだね」
ガチャ、とドアを開けたレオンさんは待ち遠しかったとでも言うような口振りで話す。
re「野菜取りに来たんでしょ?家にとってあるから早く上がって上がって」
gt「あざす!」
『お邪魔します』
レオンさんに野菜の場所へ案内される。
そこには大きな野菜が何個か置いてあった。
re「これを持っていってくれ!久しぶりに大きいものが出来たんだよ!」
その中でも一際大きいキャベツを私たちに目を輝かせながら見せてきた。
『おお…すごいですね!こんなに大きいの、初めて見たかもしれません』
re「でしょ!?」
gt「レオンさんの努力の賜物っすね!」
re「いや〜そう言ってもらえると嬉しいなぁ」
レオンさんは嬉しそうに笑顔でそう言ったが、すぐに悲しそうな顔になる。
re「でもね、少し前から採れる量が減ってきているんだ。原因も分かってなくて、少し不安だよ」
gt「え?そうなんすか?」
re「あぁ。みんなには今後、十分に野菜を届けることが出来なくなるかもしれない」
それは、少しどころかだいぶまずい。
彼らに恩返しがしたいなんて口だけ言うのは嫌なのに、自分に出来ることがないと思うと無力さに泣けてくる。
転移した時に、チート能力でも備わっていれば良かったのに。そんなことを思っても、どうにも出来ない。
『畑、見てもいいですか?』
re「もちろん。ついてきて」
最初の頃とは打って変わって悲しそうな足取りで畑まで歩いていく。
その後ろをぐちつぼさんと私は並んでついて行った。
ついて行った先にあったのは、株間が狭く植えられている野菜達だった。
そうか、この世界はまだ日本のように発展しているわけではないんだ。なら私が知っている知識でなんとかなることもあるかもしれない。
『あの、レオンさん。これだと大きく育ちませんよ?』
re「え、どうして分かるんだ?」
『だって株間が狭いんですから』
gt「株間が…?」
2人は何を言っているのかさっぱり分からないと言った顔でこちらを見つめる。
この問題、もしかしたら解決するかも。
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作者名:相羽ノア | 作成日時:2023年3月18日 17時