フードの男 ページ4
he「あぁ、おかえりA。お疲れ様」
『うん。ねぇヘレーネさん、その人は…?』
ちらっとフードの男に目を移す。
he「紹介しよう。こいつはぐちつぼって言うんだ。この村出身でちょくちょく帰ってくんのさ。」
gt「ちょ、ヘレーネさん!俺の名前は言わないでくれって言ったのに」
ヘレーネさんの言葉に慌てている。
ぐちつぼ?さんだったか。見た目はあんなに怪しいのに、こう見るとなんか…良い人、なのかな?
he「大丈夫さこの子は。ほら、Aも自己紹介なさい」
『は、はい。私は櫻木Aと言います。最近ここで住み込みで働かせてもらうことになりました。』
gt「住み込みで働く?…理由は?」
『住む場所がなかったので、仕事をすることを条件に住まわせてもらうことになったんです』
gt「ふ〜〜〜ん?」
急に村に現れたからか、非常に警戒されているみたい。
それは仕方がないかもしれないけれど、私から言わせてみればそのフードは何だって話で。
『ぐちつぼさんはそのフード、とらないんですか?目元までしっかりと隠していると前が見えにくいでしょう?』
gt「顔を見られると色々とまずいからフードは外せないわ」
『…顔に怪我とか?』
gt「ま、そんなとこだと思っててくれ」
he「ほーら2人とも、どうせここに居るんなら話すばかりじゃなくて手も動かしてくれないかい?私も年でそんなに動けないんだ」
gt「…あぁ、無理すんなよヘレーネさん」
ヘレーネさんが言うと、ぐちつぼさんはすぐにヘレーネさんの手伝いを始める。
慣れているのか作業は早い。
he「A、料理は作れるかい?私はこっちの作業で手が離せなくてこのままだとご飯が遅くなりそうだから、作ってくれるとありがたい」
『任せてください。頑張ります!』
この村の人々は皆痩せていて、健康面があまり良くないように見える。この世界ならではの料理の作り方は分からないが、日本の料理で栄養バランスの良い料理を作ろう。
幸運にも、この世界と日本とでは料理に使用される食材が同じであるため、作りやすい。
それに、専業主婦の母を手伝ってて良かった。これで料理が作れないって言ったんじゃ、ヘレーネさんに申し訳ない。
早速、材料を集めて料理をすることにした。
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作者名:相羽ノア | 作成日時:2023年3月18日 17時