異世界転移したのでこの世界を存分に楽しもうと思う。【gt】 (ページ13)

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フードの下ページ13

gt「これでいいか？」

『……！？！？』

フードを脱いだぐちつぼさんは、私が思っていた以上に「好青年」だった。
緑色の髪をした、一見爽やかそうな男の人だ。

gt「どうした？」

『あ、あーいやぁ、髪色が珍しいなって！』

もっと怖い人イメージしてたなんて言ったら失礼だ。
髪色が珍しいのは事実だし、こう言っておこう。

gt「なるほどね。確かにこの髪色は珍しいかもしれないけど、案外居るぞ？ってかいろんな髪色いるぞ？」

『へぇ！そうなんですね』

日本では染めていることが多いけれど、この世界では地毛がそうなのかな？

『そういえば、なんでフード被ってるんですか？』

gt「え？あー…そうだなぁ」

彼は一瞬考えるそぶりをして、すぐに口を開く。

gt「強いて言うなら…この村の人を守るためだな」

『村の人を…』

いつもよりも暗い表情でそう言う彼。
簡単に言えない事情があるのだろう。

gt「ま、詳しいことは言えないけど大体はそんな感じ。」

『大変なんですね』

gt「まあなー」

彼はそう言って、もうこの話は終わりだとでも言うように部屋を見回す。

すると、本棚に近づいて一冊の本を取る。

gt「Aって医者か何かか？」

彼が取った本は医療関係の本だった。
中には薬草についても詳しく書かれている。

『医者ではないですが、少しだけ心得はありますよ。私の父が医者だったので。その本はヘレーネさんから借りました』

gt「すげぇな」

興味深そうにその本を開いては首を傾げ頁をめくっている。
医療に興味があるんだろうか？

『もしかしてぐちつぼさんも、そういう本読んだりします？』

gt「俺？いやいや、分かんねーわこういうの。Aはよくこんな難しい本読んでんだなって感心してたんだよ」

「幼い頃から父から色々言われてましたからね、なんか慣れました」

gt「俺だったら無理だな〜」

そんなことを言って本を元の位置にしまった。

gt「Aは薬作れる？」

『んー…作ったことはないですけど、作り方通りにすればなんとかいけないこともない…かも？』

gt「それじゃあ一度作ってみねーか？」

良いことを思いついた！とでも言うようにポン、と手を叩くと、道具を準備し始める。
あっという間に道具と必要な材料を机の上に置いていく。

こ、行動的な人だ……

でも、一度は薬を作りたいと思っていた。
少しワクワクしながら薬作りに取り掛かることにした。