最終手段。【稲荷崎】

Last resort ・・・１７ ページ19

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治のおかげで色んな人と仲良くなれた。

狭い世界はどんどん広くなってった。


広い世界は怖いって思ってたけど友達もできた。



次は銀ちゃん。


銀ちゃんは私を初めて名前呼びしてくれた。

優しくて、何時も手伝ってくれた。


初めて名前呼びされて、

それが広がって、

男バレではAと呼ばれるうになった。


みんなとの距離がすごく近くなった気がした。



他にも北さんや大耳さん、赤木さんに尾白さん。

沢山の人が私の周りに居てくれた。


何か言われても言い返してくれたり、

1年生の時は色々と教えてくれた。


後は・・・角名か、


角名は私と小学校が一緒らしい。

私もあんまり覚えてないから分かんないけど。


遊んだり、一緒に登校したりしたらしい。


多分角名はずっと隣にいてくれたんだと思う。

高校生になった今でも覚えててくれた。


私はこの人たちに沢山お世話になった。


最初はどうでもいいって思ってたけど、

暖かい人達に囲まれて気持ちが変わった。


今ではみんなと一緒で

全国優勝するんだって思うようになった。


だけど、私の気持ちは醜かった。


深雪ちゃんが入ってきたことによって

自分でもわかるくらい自分の弱さを知った。



どんどん奪われてく私の居場所。

私よりも大きい人達からの冷たい目線。

弱い私はすごく怖いと思った。



私があそこにいる為には、自分を守るためには

広い世界にい続けるためには肩書きが必要。


”深雪ちゃんの相談役”

その肩書きが必要なんだ。


いけないって分かってるけど

やっぱりこうするしかない、しょうが無いよね。



誰かに”邪魔”されるなら、

邪魔できないくらいの事をすればいい。


今までの生ぬるいやり方じゃだめなんだ。




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