猫は夏に猫に恋する。【音駒】【孤爪研磨】

夏恋･････８ ページ9

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音駒の試合を見ながら不意に目を奪ったのは烏野の試合。


全然噛み合ってない、

日向君と影山君の速攻も、

西谷さんのジャンプトスも、

それと、多分やろうとしてるシンクロ攻撃も

全部が噛み合ってない。


だけど多分アレは進化の途中で、

噛み合ったら強い武器になるんだろうなぁ。


その日の試合烏野は見事全敗。

いっその事清々しい。



研磨｢A、食堂行こ。｣

『うん、今行くねー！』


各自各々自主練とかしてるけど研磨は真っ先に食堂へと向かう。

やっぱりこんな時もずっとゲーム。

君の恋人はゲームなのか。


恋人でも無い私はゲーム対して嫉妬した。


研磨｢……A？｣

『ん、どうしたの？』

研磨｢その、怒ってる？｣

『いや、怒ってはないけど。』


怒ってると言うより、妬いてます。

今君が手に持つそのゲームに妬いてます。


研磨｢おれから誘ったのにゴメン。｣

『いや、謝らなくていいよ？好きなことして全然･･。』


今隣に居ることだけで十分幸せなのに、

研磨はゲームを閉じて右手を差し出してきた。


『えーと、コレは。』

研磨｢迷子になったら嫌だし、Aと手繋ぎたい……。｣


振り向いてムフっと笑いながら研磨は｢繋ご？｣って誘ってくる。

これは単なる優しさ？

それとも、脈アリってやつ？

…………期待してもいいの？


私は研磨の右手を握り返して隣を歩いた。



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