猫は夏に猫に恋する。【音駒】【孤爪研磨】

夏恋･････最終回 ページ27

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あの日から時は経ち夏から秋へ

少し肌寒い風が吹く今日この頃

私はなにか大切なことを忘れてる気がした。


研磨｢A、ちょっとまってて。｣

『うん、わかった。』


思い出せないまま部活に行こうとした時

研磨が1度教室へと戻って行った。

なんか忘れ物でもしたのかな。


研磨｢ごめん、お待たせ。｣

『いいよー。それよりその紙袋……。』


研磨の手には小さな紙袋が握られてた。

小さな紙袋は花火大会で見た時の。


あの時研磨が、

意味ありげな事を言ったからよく覚えてる。


研磨｢まさか今日忘れたの？｣

『え、なんの事？』


今日、10月････10月1日……。


『(あ、思い出した。)』


研磨｢誕生日おめでとう。｣


小さな紙袋の中から小さな箱が出てきた。

開けてみてと促されて箱を開ける。


箱の中には赤い菊の花が小さく飾られた

シルバーの可愛い指輪が入っていた。

そういえば今日私誕生日なんだった。

テスト期間とか部活に追われてて全然思い出さなかったな…

これが歳ってやつなのだろうかなんて冗談交じりに思いながら

研磨が選んでくれた指輪にもう一度意識を向けた。


『綺麗･････。』

研磨｢よかった似合うと思ったんだよね。｣


付けたいから1回貸して？

言われた通り指輪と一緒に右手を差し出すと、

違うでしょ、って言われた。



研磨｢おれは一生かけてAを幸せにさせるんだけど。｣


その言葉を理解した私は一気に熱くなる。

研磨は動揺してる私の左手をとって、

薬指に指輪をはめ込んだ。



研磨｢今はこんなの物しかあげれないけど･･･｣


何時かもっと素敵なものをプレゼントするね。



別に形ある物じゃなくても良いのに･･･

私は研磨のその気持ちだけで十分。


研磨｢似合ってる････。｣


そう言う研磨の姿は愛おしくて････


研磨｢うわっ、ビックリした。｣


思わず抱きついてしまった。


研磨は驚くものの、

その優しい両腕で抱き締め返してくれた。



研磨｢ホント大好き。｣

『んっ、』



幸せな空気に包まれてる中、

唇にそっと、優しくキスが落とされた。





〜猫は夏に猫に恋する・END〜







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